笑顔のキミが好き【百】 14 (ページ46)

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シケメンページ46

「A、起きて。」

揺すられて起きると千がいた。

【あ、そっか。千がスタジオから出てこないから、ソファで寝ちゃったんだ。】

百と仲直りして、炊飯器のスイッチ入れて。
ラビチャで、いおりんとみっちゃんの怪獣パジャマ姿見て笑って。

この布団、いつかけた？
覚えてない。

「ボーッとしてないで弾いて。」

頭も働かないまま、楽譜を押し付けられる。

眠い。
何時よ。

一枚見終わって、頭にあるNO DOUBTと比較。
眠い。

まだ外は暗い。
眠い。

4時･･･

『却下。』

ポイッと千に楽譜を押し付けて横になる。

「はああ！？ちょ･･･っ、A！起きろって！」

千、言葉遣いが雑になってるよ。
私は、いつも千が百に言ってる事を言ってるだけだよ。
寝かせて。

『眠い･･･』

千が私の両頬をつねった。

【痛い･･･】

「起きるか何故僕の曲が却下か言わないと、偉そうな事言う口、僕の口で塞ぐよ。」

『げ。最悪。』

目が覚めてきた。
いつも偉そうなの、そっちでしょ。

「そう？眠そうなAって、色気あるね。」

『百も言ってたな。･･･万も前言ってた。ヤスみたいだって。』

「へえ、万･･･ね。」

？何か言いたそうね。

『ヤスは眠そうなのが色気あって良いんだって。何人かスタッフにも言われた。眠いときに眠い顔出来ないって拷問。』

「まあいいや。で、何が却下？」

興味をなくしたのか、楽譜を渡された。
頭が少しずつ働いてきたのでスタジオで弾く。

【あれ？これ、大分NO DOUBTに近い。】

特に後半部分。
まだサビマエ微妙に迷走してるけど。

『･･･この方向性、好き。』

思わずポツリと呟いた。

「本当！？そうだろ！？躍動感ある感じで！」

うひゃあ･･･超嬉しそう。
こんなにテンション高い千は久しぶりだ。

昔に戻ったみたい。
万と３人で曲に意見してた頃に。
少年みたいで、かわいい。

『納得行かない所はやり直せば？いいの出来るよ。』

「うん。ラフ音源、MV構成担当に送っとく。寝て良いよ。」

『いや、もう起きたよ。』

今日の仕事は、映画の撮影ないもんね。
出汁作ろうかな。
ヤマさんが好きなの作ってあげよう。

やっと日の出。
今日は寮に行こう。

まともな食事って大事だよね。

そう思いながら帰り支度の後、朝ご飯を作った。

だし巻き卵、野菜の煮物、漬け物、豆腐とワカメのお味噌汁。
私用の焼鮭はヤマさんと半分こ。

出汁茶漬けにするとヤマさんが喜んでくれた。

千の首の痣は、コンシーラーで消した。