毎日一緒 2 〜百side〜 ページ26
絶妙なタイミングでおあずけをくらった。
双眼鏡で寮を見ると、さっきは3つだった灯りが4つに増えてる。
それから動きはない。
Aと、今の時期はどこの新商品が美味しかったとか、オフになったら何しよう、どこ行こうとか話しながら、時々見るも変わりない。
『百、何時まで見張っとく？夜中だったと思うけど、明日も仕事あるからお風呂入ってそろそろ寝る？』
時計を見ると、帰る予定時間を過ぎてる。
寮を見ると灯りがまた増えてたけど、誰も出る気配はない。
ハズレかぁ。
「オレ、帰る！」
『え？』
「毎朝ごはん作ってくれるの嬉しいけどさ。明日、Aはお昼から仕事でしょ？たまには、Aのペースでゆっくりして。オレと毎日一緒だと疲れちゃうよね。」
言いながら帰り支度を済ませてAを見ると、困ったような表情をしている。
ああ、やっぱり疲れさせちゃってるんだ。
少し胸がチクンと痛む。
立ったままAの頭をそっと撫でると、顔を上げてくれて視線が合う。
にこっと笑って、おでこにキスをした。
『疲れないのに。』
「ん？」
『私は一緒で嬉しいし疲れないけど、百は疲れちゃうの？』
【え？･･･違う意味に取られた？】
でも･･･でも今、何て言った？
「オレと毎日一緒でも疲れないの？」
『楽しいし安心するよ。百は違うの？』
「･･･ううん。めっちゃハッピー！もっとずっと一緒にいたい位！！」
嬉しくて、Aの頭をぎゅーっと抱きしめた。
そっか。
毎日一緒でもいいんだ。
ラビチャで、日常化してるねって言われて勝手に嫌なのかと思ってたけど、違うのか。
重いかと思ったけど、いいんだ。
ああ、もう好き！！
さっきおあずけくらったキスをして、Aにゆっくり体重をかけていく。
毎日泊まってる割には、キス以上してないから今日位･･･
Aの髪を手でといて見つめ合ってキスをする。
わざと音を鳴らしたり、少しずつ深くなっていくキスをして、ハッと気づく。
【ここ床だ･･･。】
クッションあるけど背中痛いかな。
今痛くなくても後で痛くなるよな。
気になりながらも続けていると、百？と聞いてくるAの声に顔をあげる。
『どうしたの？』
「あ、えと･･･。」
集中してないのバレた。
「あっち行こ。」
寝室を指差してAを見ると、照れ笑いをして頷いてくれる。
【かわいい〜！】
心の中で悶えていると、Aのスマホが鳴った。
誰だ。
こんな夜中に。
Aは無視しなかった･･･泣
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作者名：miz | 作成日時：2019年5月16日 5時
