取引 4 〜百side〜 ページ19
食べ終わって帰る時にラビチャを開いた。
ヤス事務所に戻ります。
了解のスタンプを送信する。
どっちにしろ、おかりんにスマホ預けてるから戻ろうとは思っていた。
【ユキに、事務所に行くの伝えて貰う？一応。】
電話をした。
数コールで出てくれる。
Ｍissionの主題歌の作曲をしてたらしい。
相当悩んでるかな、この様子じゃ。
Aは知ってるから、なるべく手伝いたくないみたいだし。
オレに何か出来ることないかな。
･･･「アレンジになったらAに言うし、作詞段階になったらモモにも言うよ。それでどうした？月雲と何かあったのか？」
「ち、違う違う！何もないよ。ご飯食べに行っただけだから！ユキの声が聞きたかったのと、Aに事務所今から行くって伝えて欲しくて。」
･･･「何か後ろめたいことがあるんじゃないの？」
「ないってば！ユキやユキのご先祖さん、Aに誓っても良い。」
･･･「ご先祖さんにも誓うんかい。」
理由を説明すると、誤魔化してるって言われた。
ええ！？
そんなに疑われちゃうの？
･･･「まぁいいよ。分かった。Aに連絡しておく。」
「ありがとう！」
･･･「程々にしなよ。Aも僕もしばらくオフないんだから。」
「うっ･･･。」
痛い所つくな。
ユキに言われるの、結構キツい。
毎日のように迫ってたくせに。
･･･「Aはオンオフ出来るからいいけど無理させないで。」
「はぁい。･･･じゃあまた明日。お休み。」
･･･「お休み。」
電話を切って事務所に向かう。
また電話が鳴った。
「ユキ？どうしたの？」
･･･「A、事務所の近くのカフェにいるって。皆、帰ったからって。」
「カフェって、ユキもAも、紅茶が美味しいってお気に入りの？」
･･･「そう。そこ。」
お礼を言って電話を切る。
カフェに着くと、変装したAを見つけた。
「ごめん、待たせたよね。」
『ああ、ううん。大丈夫。本屋も寄ったし。』
眼鏡の奥の、Aの目が笑う。
ああ、癒される。
了さんの家に行った日は、いつも無性にAに会いたくなる。
叶わない事が多いけど。
A専用のスマホを、Aから預かって店を出た。
「話出来る？家行っていい？」
『いいよ。私も話がある。』
ぎゅうぅぅぅっと胸が締め付けられる。
いや、ユキにクギを刺されたんだった。
【自制しよう･･･】
２人でAの家に行った。
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作者名：miz | 作成日時：2019年5月16日 5時
