笑顔のキミが好き【if･･････二階堂大和】3 (ページ23)

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仕事が朝からある。
ヤマさんも私も。

6時に目覚ましをかけて起きると服に着替えてる時に気づいた。

【ん？なんか薬指に指輪がハマってる。】

凄いシンプルなデザイン。
思わず首に下げてる、ヤスの指輪を見る。

ある。

じゃあ、この指輪、なに。
左手薬指って、結婚した人とか婚約した人じゃなかったっけ？

じーっとベッドで寝ているヤマさんを見る。
時間も時間だ。
起こすしかない。

『ヤマさん、起きて。』

揺する。
起きない。

『ヤーマーさん！』

起きない。

「ん･･･もうちょっと･･･。」

【･･････。】

これは、千みたいに起こすしかない。

布団を剥ぎ取った。
寝間着姿のヤマさん。
起きない。

びよーんと頬を引っ張る。
あ、意外と楽しい。

「ちょっと、A。」

大きいあくびをしながら体を起こしたヤマさんに服を渡した。

「もっと優しく起こして。」

『ほう、どんな風に？』

「キスとか。」
『却下。』

どっかで聞いたな。

『ああ、千にも昔、同じ事言われた！あはは、同じ思考回路だね。仲が良い。』

「げ。」

『でも千より起きるの早いよ。感心、感心。』

「何？千さん起こしてんの？」

『そりゃ、百やおかりんと一緒に起こしたりするよ。ギリギリまで寝てるしさ。ヤマさんはフライパン鳴らされて起きるんでしょ？そうじゃなくても起きてキャラ弁作るのにね。』

「うるせ。」

恥ずかしそうに顔を赤くして私から目線をそらす。
何でここで照れるのか。

『あ、そうだ。ヤマさん、この指輪。』

左手を見せると、着替えながらこっちを見て、また視線をそらされた。

「･･･や･･･そく。」

『え？』

あまりにも小さい声で言われて聞き返す。
何を言われたか聞こえなかった。

ヤマさんの耳が赤い。
何か照れてるらしい。
柄にもない事したと思ってるのかな？

とか思ってると、私の左手を取って指輪に手をかけた。

「･･･っ、いらないならいい、うん。」
『いやいや、何で急にそんなになってんの？いや、貰うけど。いただきますけど！』

『さっきなんて言ったの？聞こえなかった。』

「昨日言ってたろ。プロポーズとかなんとか。･･･元々、渡す気でいたんだよ。･･･タイミングを失って･･･男よけみたいなもんでいいんだけど。」

『プロポーズ、されてないけど。』

「する約束みたいなもん。」

真っ赤な顔でうずくまってるヤマさんが可愛くて、ありがとうと言って笑った。