笑顔のキミが好き【if･･････二階堂大和】3 (ページ21)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:37,434 hit

92　～大和side～ページ21

変装しているAを見つけるも、取りあえず受付を済ませてラビチャする。
大和お待たせ。俺、分かる?
A分かる。
大和距離開けてついてきて。
A分かった。

ホテル最上階。
だからと言って、スイートルームではなく。
景色がいいらしい。

【まぁ、最上階だから。】

付き合って2周年が遅くなったな。

エレベーターを降りて人の気配がなくなって部屋を開けて、Aを先に入れる。

『わ、綺麗！』

「パノラマまでは、ちょっとやりすぎかなと思って。案外普通の部屋だろ？」

『普通って。景色が綺麗だよ？高くなかった？』

「最上階にしては高くない。」

２人で3万ちょっとだ。
朝食も夕食もなしだからだろうな。

冷蔵庫からシャンパンとケーキを出す。
プランに含まれている物だ。

「遅くなったけど、２周年お祝いしようぜ。」

『あはは。凄いね。ヤマさん、こういう事するんだ。』

「え。やりすぎ？」

『いいよ。嬉しい。まぁこういうのって、もっと違うときに利用するイメージかも。もっと気合い入れるとき。』

手を洗ってシャンパンを入れる。
Aも手を洗って、隣に座ってくれた。

「気合い入れるとき？例えば？」

お互いにグラスで乾杯した。

『えー？うーん･･･プロポーズとか？付き合って5年とか？結婚した日とか？節目っぽい節目。』
「ぶ･･･っ」

シャンパンを吹いた。
慌ててタオルを持ってきて拭く。

「なに？そうして欲しいって事？」
『えっ！？いや、そういう意味ではなくて！』

うわ、凄い真っ赤。
･･････可愛い。

【あぁ、もう心臓に悪い。】

こっちは色々段取りを考えているのに。

微妙な空気が流れる。

「ケーキ、食う？」

『あ、折角だしね！これも用意してくれたの？』

「あ、ホテルのプランに織り込まれていて･･･」

『そ、そうなんだ。』

･･････また沈黙。

いつもなら何も話さなくても居心地がいいのに、今は気まずい。

【段取り･･･無視するか。】

「あのさ、そういうの、考えてるから。ちゃんと本気だから。困った顔すんな。」

『え？』

「あー、その結婚？とか。事務所とかもあるだろうし簡単にはいかないだろうけど？」

『あ･･･うん。』

嬉しそうに頬を染めて笑うAに、ぎゅっと心を掴まれる。
手を出すのを我慢してフォークでケーキを一口大に取って、Aの口の前に差し出した。