笑顔のキミが好き【百】 12 (ページ14)

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Twelve Fantasia Tour ② ページ14

ゼロアリーナの総支配人と参加メンバーとマネージャー達で話をしていると、出資者の１人と言う女性が乗り込んできて、反対だと言い出した。

【奥さん、結構キレイな人･･･】

この後の進行を知っている私は、ぼんやりそんな事を思ってた。

ゼロのファンの会長だという奥さんが出ていった後、総支配人は彼女を説得すると言ったので、全員で外へ出た。

たまちゃんと楽が口々にムカつくとか色々言う中、百が口を開いた。

「ショックは分かる。けどムカついて終わりじゃアイドル失格じゃない？ハッピーになれないよ、それじゃ。」

『私、ムカつかないよ？』

環「え？何で？ムカつくじゃん！」

『だって、私達なら認めさせる事が出来ると思わない？ゼロと同等とかじゃない。楽しませればいいんでしょ？』

何でもない事のように言うと、何人か驚いていた。

「やべぇ、ヤスりん、格好いい！」

「そうだよ。お姉ちゃんの言うように、オレ達の良さを分かってもらえればいいんだ！」

一「ただ言うほど簡単じゃないと思いますよ。あの反応、拒否反応と言ってもいい。」

「ゼロにぞっこんラブ！オレたちは眼中になし！って感じだったもんなー！」

百の言葉に陸が、やってみなきゃ分からないと言った。
本物と認めさせる為にオーディションの開催を紡が提案してくる。

『いいんじゃない？』

微笑んで言うと、皆乗り気になったのが分かった。

「ボクらは賛成だよ。いいでしょ、楽、龍。」

がっくんも龍ちゃんも頷く。

「ヤスがこう言ってるし、オレらも賛成だよね、ユキ！」

千も頷いて、方向性は決まった。
今から総支配人に言いに行くらしい。

皆が走り出す中、私は笑って歩いて見てたのに、百が戻ってきた。
私の腕を取って、笑顔で言った。

「ほら！ヤスも！行こう！」

『百の走りに追いつけないよ。』

「じゃあお姫様抱っこする？」

『はっ？いや、いい！恥ずかしい！』

百の手を離して逃げる。

「えー？いいじゃんか。」

『良くない！恥ずかしい！』

猛ダッシュで皆の方へ逃げるものの、百は笑いながら私を捕まえることなく走ってついてくる。

直談判の末オーディションを行って、福岡、大阪、名古屋それぞれのライブで認めてもらってから、ゼロアリーナの千秋楽をするか決める事になった。

最初の大きなライブは福岡。
それまでに、いくつか小規模なライブをこなす。

「ゲレンデ近くにライブも設定し、他もマネージャー同士で話し合いました。」

おかりんが説明してくれた。