天と猫カフェ ページ13
「え！？Aも！？やだ！1人にしないで！」
「･･････策士。」
『なんのことかなー？』
「分かりました。行きますよ。･･････全く。ずる賢いカップル。」
天は呟くように言ったけど、聞こえるように言ったよね、今。
『てんてんに言われたくないなぁ。』
「その呼び方やめて。」
「へー、てんてん。環が呼んでる呼び方だね。」
「最初に呼び始めたのは、Aさんですよ。四葉環も偶然同じですが。」
【私が後なんだけどなぁ･･･】
まぁ万以外、誰も知らない事だけど。
猫カフェに着くと、90分フリードリンクを注文した。
猫がいるスペースに入る。
『うわぁ！子猫いっぱい！可愛い！ねぇ、天！あの子猫かわいい！』
天の腕の服を引っ張って、子猫の所へ行く。
「そんなに急いだら、他の猫がビックリするよ？」
微笑みながら言う天の表情は優しくて、私も笑って、そうだねと言って、ゆっくり歩くようにした。
天と２人で猫を構っていると、百が寄ってきた。
「２人の世界を作られると、妬くけどいい？」
『２人の世界？』
「さっきから端から見て、Aと天、彼氏彼女みたいだった。」
驚いて天を見ると、天も目を丸くしていた。
目が合って、２人で笑った。
『じゃあ百も一緒に猫に構おうよ。』
「妬くも何も、百さんが彼氏でしょう。」
そう言ってると、子猫が一匹、私の太ももに登って来て、くるまり始めた。
【わー！可愛い！】
そろっと子猫をなでると、気持ちよさそうに目を閉じてくれる。
うわー、癒される･･･。
「ああ･･･ズルい･･･猫･･･。」
「百さん、嫉妬しに来たんですか？」
「違うけど･･････もう、閉じ込めてオレだけ見てほしい･･･。」
「･･････え？百さん？」
他の猫も寄ってきて構っていて、私は、百と天の話を聞いてなかった。
時間になって手を洗って店を出ると、当然のように夕飯一緒に食べようという事になった。
「ボクは帰ります。お邪魔なので。」
「１人で食べるより一緒に食べた方が美味しいって！」
「嫉妬が怖いですから。」
「大丈夫だって！」
言い合う百と天を見て、どうすれば一緒に食べられるか考えた。
『オムライス専門店行きたいな。百、いい？』
「え？いいけど･･･」
不思議そうに私を見る百と、少し睨んだ様に私を見る天。
笑顔を向けると、天は観念したように言った。
「行く。」
３人でオムライス食べて、天と別れて百に送って貰った。
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作者名：miz | 作成日時：2019年4月19日 5時
