つらくて、つらくて、楽しい 〜千side〜 ページ49
【Aが、大和くんへの態度を考えてるなんて気づかなかった。】
言われないと気づかない。
距離が近いようで、ちゃんとあけてるのか。
撮影所で大和くんを見る。
最近、彼はおかしい。
前のような飄々とした風は見当たらない。
棗くんの演技をジッと見ている。
『追い込まれてるよね。しんどそう。犯罪関係の本ばっかり読んでるから。』
「Aにもそう見えるの？･･･何で本の事知ってるの。」
『たまちゃんが泣いて電話してきた。人食いの本が怖いって。･･････私じゃ役に立てないから、千が行ってきて。じゃあね。』
「人食い･･･こわ･･･僕ん家来ないの？」
『アレンジになったら呼んで。お疲れ様。』
【彼女なんだから来てもいいのに。】
スタッフや他の人に挨拶してAは帰って行った。
大和くんに近づいて挨拶する。
何を、どうやって話したらいいんだろう。
天気の話をするも、すぐ終わる。
大和くん、変な物を見る目だな。
･･･虫を見るような目じゃないだけ随分良い。
【ああ。懐かしいな、あの頃。】
「君に初めて会った時、こう思ったよ。真面目で潔癖そうな子。」
「なんですか、急に･･･。俺はチャラそうな男なのに、Aの事自分のもんって思ってそうだと思いましたよ。」
「はは･･･まあ、間違ってないよ。」
自分のものと言うより、僕らのものかな。
こんな子に渡すもんかと思ってた。
大和くんが僕に見惚れてくれたという話をしてくれた。
へえ。
大和くんでも、そう思ってくれるんだ。
Aや万くらいか。
そう思わないのは。
大和くんが何で適当や、ひねくれた振りをしてるのか分からないけど。
役のことで悩んでるか聞くと、意外と素直に頷く。
監督には聞きたくないらしい。
どう言えば伝わるんだろう。
「不健康な精神状態と、浅い知識でのめりこんだら、自分を追い詰めていくよ。」
「はは･･･。なんですか。役と同じ犯罪心理分析官気取りですか？自分の事はどうなんです。Re:valeが歌う主題歌、デモもあがらないって心配されてましたよ。」
「煮詰まってるんだ。そういう時は、いつも息苦しい。いっそ世界が壊れてしまえばいいと思うよ。」
そう言うと、大和くんは驚いたように目を見開く。
「･･･千さんでも？」
「そうだよ。」
心の中に何かがあって、かすかに触れると、とてもいいものなのに。
確かな形で生み出せない。
時間に追われれば気が狂いそうになる。
つらくて、つらくて、楽しい 2 〜千side〜→←思わせぶりな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 164人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アイドリッシュセブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミズ ミズ(プロフ) - 麗妃さん» いえ！身内からのリクエストで既に万ルート希望の声があったので、構想はあるものの「あ、これ短い」と思ってお蔵入りの可能性はあったので、嬉しいです。ありがとうございます！頑張ります！ (2019年4月18日 14時) (
レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
麗妃(プロフ) - 誤字ありました！万さんルートです。誤字失礼致しました。 (2019年4月18日 14時) (レス) id: d59234d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
麗妃(プロフ) - ミズ ミズさん» ミズ ミズさんのストーリー展開が本当に好きで、万さん不ルートを作ってくださるだけで幸せです！ですから、大丈夫です！これからも応援しつつ、作品を楽しませていただきたいと思っています。これからも頑張って下さい！長文失礼致しました。 (2019年4月18日 14時) (レス) id: d59234d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
麗妃(プロフ) - ミズ ミズさん» ええ、え、本当ですか！？正直駄目元だったので、とても嬉しいです！！万さんの立場も分かっているつもりですし、もう色々なルートを書いているミズ ミズさんも大変だとと思います。なので無理しない程度に、ミズ ミズさんの考えているストーリーを恵んで下さい！ (2019年4月18日 14時) (レス) id: d59234d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 麗妃さん» いつもありがとうございます！万ルートは、万が主人公の事を一番分かってる位置にいる為、この後のストーリー展開予定での葛藤が消化されやすくて、他ルートのネタバレ的な物になってしまうので、書くなら他が第三部途中位ならと思いますが、いかがですか？ (2019年4月18日 14時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：miz | 作成日時：2019年4月9日 10時
