今年も 〜百side〜 ページ32
ホワイトデーは、Aに例年通りにバラの飴細工をあげて、ユキにはカットフルーツのボートをあげて、ユキからは手づくりのクッキーを貰った。
ユキはAからケーキ貰ってたけど、オレにはなくて･･･
【ただでさえ泣きそうなのに、更に泣きそう･･････】
テーブルに上半身うつ伏せになっていると、Aが頭をなでてくれた。
『百は、ちょっと間に合わなかったから、もうちょっと待ってくれる？』
「間に合わなかった？」
顔をあげてAを見る。
『うん。ちょっと注文したんだけどね。もうちょっと時間がかかるみたいで･･････遅くてもいい？当日じゃないと意味ないかな？』
【え？オレのあるの？】
いや、ユキにあげてオレにないのが本当はショックすぎるけど･･････
でもオレにもあるんだ。
「いいよ！今日じゃなくても！」
嬉しい。
笑うと、微笑まれる。
何をくれるんだろう。
ホワイトデーだけど、手づくりじゃないみたいだけど、嬉しい。
「珍しいね。ヤスが手作りじゃないの。お菓子じゃないの？」
ユキが言うと、Aは『お菓子だよ。』と答えた。
『でも私には作れないの。』
「ヤスが作れないお菓子があるの？」
『いや、普通にあるよ。三月くんなら作れるかなぁ？でも寮じゃ道具揃ってないしな･･･』
オレが言うと、Aは苦笑した。
今日も歌えなくて、ユキにもAにも迷惑をかけている。
帰り支度をする。
最近、飲み会も行きにくくて、了さんか、Aと一緒に過ごすことが増えた。
オレの家に来る時のAは、あの朝の突撃訪問の日から、カツラを被って来るようになった。
【可愛いからいいけど･･･っていうか･･････】
あの日から、Aから手を繋いでくれたり、頬にキスしてくれたり、百瀬って呼んでくれたり、Aから抱きしめてくれたり･･･
【もう、耐えられません･･････】
体中の血が沸騰しそうに熱くなって、心が鷲掴みにされているかのような気分になる。
分かってる。
Aが、オレの事を好きだって伝えようとして頑張ってくれてる。
想われてる自信が、オレにないからだ。
【もう、想われてる自信よりも、こっちがもっと好きになるってば･･･！】
でも、そんな時間は、余計な事を考えなくて済む。
すごくハッピーな気持ちになる。
こんなオレでも好きだって言ってくれるんだ･･･
おかりんが運転する車でAと手を繋いで少し幸せな気持ちになっていた。
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ミズ ミズ(プロフ) - 巫リオネさん» いつもありがとうございます！公開しました！教えていただきありがとうございました！ (2019年4月13日 9時) (
レス) id: 9f5e9cb3e5 (このIDを非表示/違反報告)
巫リオネ(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく拝読させて頂いております！登場人物みんな可愛くてかっこいいです…！これからも応援してます！あと補足なんですが…それぞれの反応2が公開されていないみたいです…… (2019年4月13日 7時) (レス) id: e609e440af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2019年4月6日 12時
