オレの歌声 2 〜百side〜 ページ14
きっとオレがあの位置にいたとしても同じ事をしただろうけど。
Aの傷痕を初めて見た時、二度目に見た時は、バンさんの事を強く思った。
三回目になると、ふとこんな考えが過ぎった。
ユキは基本的にクールだ。
取り乱した姿は、あの事故の時しか見たことがない。
オレには向けられないだろう。
Aも基本的にクールというより、ドライだ。
よく表情が変わって笑顔も多いけど、素直じゃないせいか、対応が時々厳しい。
ヤスをやるようになってから、性格がヤスに引っ張られているんじゃ？と思う位。
よく泣くし、よく笑うけど、時々オレに自己犠牲はするなと怒られたりもした。
･･････自分だって、してたじゃんか。
そう思うと、Aだってオレのためには、あんな事しないだろう。
バンさんだってユキのこれからの為に行方不明になった。
ユキもAもバンさんも、それ位に大事に想い合っていたんだ。
【Aが男として好きなのはオレだとしても、Re:valeとしては蚊帳の外だ。】
偽物のRe:valeは、どんなに頑張っても本物のRe:valeにはなれない。
元々ファンなんだ。
ユキさんに歌い続けてほしくて、Aに背中押されて、期限付きでなっただけ。
なのに。
なんで･･･こんなに苦しいんだよ･･････！
「･･････っ」
涙が頬を伝う。
『百！？ごめん、やっぱ止めとけば良かった！』
「違う。ごめん、A･･････。･･････ごめん･･･。」
『百？』
Aの心配そうな声がオレの頭上でする。
“言ってるようで意外と言ってない事多いと思うよ。”
“でも言えると、百は少しは楽になると思うんだけどね？”
【言えないよ、A･･････。】
普通に今日あったことを話すのとは訳が違う。
どういう会話したとかいうのを話すよりも、ずっとずっと重い。
ユキが好きだ。
Aが好きだ。
意味は違うけど、どっちも好きなのに、それだけでは越えられない壁がある。
同じ分だけ想い合うなんて難しいなんて知っている。
でも、バンさんへ向けた愛情と似た感情を、向けてほしいなんて贅沢だ。
身の程知らずだ。
「A･･････。」
Aを抱きしめた。
喉から出かかった言葉を飲み込む。
Aは黙ってオレを抱きしめ返してくれた。
“ねぇ、オレのこと、どれ位好き？”
その言葉は口にすることはなく、感情の切り替えが出来るようにリセットしてから、Aを家まで送った。
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ミズ ミズ(プロフ) - 巫リオネさん» いつもありがとうございます！公開しました！教えていただきありがとうございました！ (2019年4月13日 9時) (
レス) id: 9f5e9cb3e5 (このIDを非表示/違反報告)
巫リオネ(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく拝読させて頂いております！登場人物みんな可愛くてかっこいいです…！これからも応援してます！あと補足なんですが…それぞれの反応2が公開されていないみたいです…… (2019年4月13日 7時) (レス) id: e609e440af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2019年4月6日 12時
