ユンギのお気に入り (ページ9)

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「ねーちょっとだけ抜け出さない？」

『えっ……！？』

「ちょっとぐらいいいじゃん、ね？」

どこか悪巧みな顔をする、イさん。

でも作業は、まだ途中だ。

仕事放棄してうろうろしてるところなんか見られでもしたら

休憩どころのはなしじゃないし

上手い言い訳も思い浮かばない。

だけど、イさんが

「いいからいいから。」って

どこか愉しげにも見えて

それならって、

イさんと一緒なら大丈夫かな…って

そう思えてきて

不安が残りつつも

結局はイさんに付いて行くことにした。

廊下に出て

エレベーターに乗って

いったいどこまで行くんだろう…。

「さ、着いたよ。」

行き着いた場所は

まだ踏み入れたことのない地下で

" 禁止 "されたフロア……。

『イさん、マズいですって…』

「大丈夫、大丈夫。」

大丈夫って、全然大丈夫じゃないと思うんだけど

「Aちゃんに会わせてあげる。笑」

会わせる…って

『誰にですか？』

「特別だよ？笑」

や、あの…全然答えになってませんから。