ユンギのお気に入り (ページ6)

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両手いっぱいにぶら下げてた荷物のせいで

腕にはくっきりと痕が残った。

「おっせーよ、」

『すみません…。』

「タクシー使わせたのになんでこんなに時間が掛かるんだよ、」

なんでって

帰りにタピオカ買ってこいって…

これ買うのにどんだけ並んだと思って…

「おーい、ほらタピオカだぞ～。」

いかにも自分が買ってきたような言い方…。

"「わーありがとうございますぅ。」"

重たい荷物持ちながら

私が並んで買ってきたのに…。

「なんだよ、」

『いえ、なんでもありません』

結局はなんにも言えない、…私。

『これ、カードと領収書です。』

「ん。」

「あと、これな？」

『……翻訳、』

「あ、あぁ…。」

『またですか』

「なんだよ、言いたいことあんならはっきり言えよ」

『…いえ、なんでもありません』

"「なにあれ笑」"

どこからか聞こえてきたクスクスって笑い声と

突き刺さる冷たい視線に

……ぐっ、と堪える。

今さら何かを言ったところで

変わることなんてなんにもない。

何も言えない、何も言い返せない、

そんな自分に一番腹が立った……。