キセキ (ページ28)

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大我side

俺の手の中には、指輪がある。
Aが好きそうなデザインを選んだけど、喜んでもらえるだろうか。

高地「Aなら、きょもから貰った物なら何でも嬉しいと思うけどね」

必要な物を用意して、Aの家まで送って貰った。

高地「まぁ、頑張れ」
大我「言われなくても頑張るよ。人生と俺のプライド懸かってるし」
高地「まぁ、もし断られたら連絡しな。話は聞いてやるから」

そんな事を言われたら、もし断られたときの事を想像してしまう。でも、絶対に断られないと思ってる自分が、何処かにいる。

大我「じゃあ、また」
高地「おう」

大我「絶対、大丈夫」

言霊、だっけ？
言葉には魂が宿るって。
昔、Aがそう言ってた。
　実際に言葉に出すことで強い安心感を抱き、なんとかかんとか……

あまり意味は理解できなかったけどね。

高地を見送って、Aの部屋に戻った。

A「お帰り」
大我「ただいま。あれ、大志と風歌は？」

お出迎えに来なかった双子の様子が気になる。

A「あぁ、待ちくたびれて寝ちゃった。帰ってくるのを楽しみにしてたから、起こしてくるね」

大我「待って!」

子供部屋に向かおうとしたAの手を咄嗟に掴んだ。