キセキ (ページ23)

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大我side

双子に夕食を食べさせて、お風呂に入れるともうクタクタ。1人だけでも大変だろうに、双子だからその苦労は2倍だ。
Aは1人でこれをやってきたんだなと思うと、申し訳ない気持ちになった。双子は、寝る前に絵本を読んでもらって、歌を歌ってもらっていた。

因みに俺も一曲歌わされた。双子が眠りについたのを見届けると、Aとリビングに戻る。ソファーに座ったAの隣に腰掛けた。

大我「Aはさ、週刊誌の記事、どうするつもりなの？」
A「どうするつもりって？」

あの週刊誌はかなり売れていて、業界の中でも売り上げはトップスリーに這入るのではないだろうか。勿論、世間の話題になるのは間違いないだろう。

大我「対応をどうするかって」
A「差し止めるつもりはないよ。いつかはバレるって分かってたし。この世界でシングルマザーなんて珍しい事じゃないでしょ？」
大我「そうだけど……」

子供がいることが世間に知られたら、当然世間は父親が誰か騒ぐだろう。

A「この年で子供がいるって一般の人なら普通だと思うんだけどね」

俺達は一般の人とは違う。その事実を突きつけられているようだった。恋愛は禁止ではない。でも、公には出来ない。自分も相手も叩かれるから。

A「父親か……」

テレビを点けて、適当にバラエティ番組を見る。隣のAは何処か遠くを見ていて、何かを考えている。Aの考えはいつも読めない。そういうミステリアスな雰囲気も、俺は好きなんだけどね。