眠れる姫と黒き誓い Ⅱ (ページ6)

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⬜︎. ページ6

――光の中に、あなたがいた

胸の奥にずっと響いていたその声
瞼の裏に焼きついた、温かくて、懐かしくて、どうしようもなく恋しいあの瞳

けれど、その記憶はまるで深い霧の向こう側にあって、私には届かなかった

「……あなた……なの……？」

言葉が、自然にこぼれた

目の前にいるその人を、私は知っている

けれど、なぜ知っているのか――なぜ涙が溢れてくるのか、その理由が思い出せない

ふいに、胸の奥が熱を持ったように痛んだ

その痛みとともに、記憶の扉が、ひとつ、またひとつと開いていく

……剣を手に私を守ってくれた、誓いを立てたあの日
……夜空を見上げて、「必ず迎えに行く」と言ってくれたあの瞬間

――思い出した

私が、誰を待っていたのか

何百年もの時を越えても、何度生まれ変わっても、きっと、見つけてくれると信じていた

だから私は……目覚めることができたんだ

「……来て、くれたのね……」

やっと、声が震えずに出せた

彼の姿が滲んで見えるのは、涙のせい

けれど、間違いない。この人が、私の騎士
この人が、私を“守る”と誓ってくれた――蓮

私は、再び彼に出会うために、ずっとここで眠っていた

そして、今
彼の声が、手が、想いが――私を呼び戻してくれた

目覚めた世界には、彼がいる

その事実だけで、私は今、生きていると感じられた