眠れる姫と黒き誓い Ⅱ (ページ13)

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⬜︎. ページ13

平穏な日常が続いていたかと思えた
けれど、次第にその日常の中に微かな異変が感じられるようになった
ふとした瞬間に、自分の手が微弱に震えていることに気づく。その震えは、まるで何かが目覚めようとしているかのようだったで、手のひらを見つめると、わずかに魔力が漏れ出しているのを感じる

それはほんの微細なものだけど、十分に気になる異変だった。かつて、魔力を封印されていたことを思い出すと、再び何かが動き出しているような気がしてならなかった

その日の夕食の後、静けさが漂う中、蓮に向かって言った

「蓮、私…最近、自分の手から微弱な魔力が漏れていることに気づいたの」

蓮はその言葉に驚きはしなかった
私の異変に気がついてたのかもしれない

「魔力が戻ることが必ずしも悪いことではないけれど、あの闇の魔導士が再び動き出している兆しだと思う」

私は静かに頷いた。

「蓮、あの魔導士が…戻ってきたら、どうしたらいいの？」私の心の中には、過去の戦いで失ったものが深く刻まれている。それが再び繰り返されることに対する恐怖が、胸の中で膨れ上がっていた

蓮はしばらく黙っていたけど、言葉を続けた

「もしかしたら、あの魔導士が戻ってきて、また戦わなければならないのかもしれない。」
蓮は強い決意を込めて言った
「でも、今度は姫を守るために、全力で戦う。あの時のように、二度と…君を失うわけにはいかない」

その言葉を聞き、胸が温かくなるのを感じた。しかし、同時にその言葉の重さを理解していた。蓮は自分を守るために命を懸けようとしている。彼の覚悟に、胸は苦しくなる。

「蓮…私も、もう一度あなたと一緒に戦いたい。私には魔力が戻りつつある。そして、あなたと一緒に戦う覚悟はできている」

一瞬驚いた様子の蓮だけど、すぐに微笑んだ

「ありがとう、姫。でも、無理をしないで。君の命が一番大切だから」

「私たち二人でなら、きっと乗り越えられる。どんな困難も」
蓮の手をしっかりと握った

その瞬間、二人の心は再び一つになった。過去に繋がれた絆、そして未来に向かって歩む力強い意志。それが二人を支えていることを、彼らは深く感じていた