54話「電話」 ページ17
陸 「・・・で?その後どーなったんだよオラ」
「いやどうもしてないけど、陸太くんなんでいるの?」
晴 「すみません、止めたんですけど」
諏 「別にいいんじゃないか?」
休日の午後、深空の家にお招きを受け、転校後初めての"友達の家"に喜びを抱えつつ訪ねた私を待っていたのは、苦笑いする親友と、三白眼で睨みつけるヤンキーと、真顔の2人の男子だった。
及び腰になる私は、やや(?)強引に深空の部屋に引っ張り込まれ、ただいまの状況となったというわけだが。
「いや、諏訪くんも晴くんもちゃっかり自分を正当化してるけど、ふたりの方がここにいるのおかしいからね?」
晴 「誤解しないでください。いつもの通り、陸太のお目つけ役ですよ」
諏 「お、俺もだ・・・?」
明らかに諏訪くん動揺してるけど。そして、ただ家にいるだけなのにお目つけ役つけられるって、陸太くんどれだけ信用ないの・・・
「まあ、いいけど・・・で、深空、こういうときどうしたらいいと思う?」
深 「うーん、でもこればっかりは本人たちにしか分からないしね。しばらく様子を見るしかないんじゃないかな」
「やっぱりそうだよね」
諏 「難しいな」
人事みたいに言ってるけど、80パーセントくらいは諏訪くんのせいだからね?
深空が作ったというクッキーをつまみつつ、他愛のない話をしていると、ポケットのスマホが振動を始めた。
「ちょっとごめん」と席を立ち、部屋を出て画面に視線を落とす。
画面には、"非通知"という文字と共に、090から始まる番号が表示されていた。
「非通知・・・?」
迷いながらも通話ボタンを押し、耳に当てる。
次の瞬間、今まで一度だって忘れたことのない声が、耳を刺した。
『・・・A?』
──夢なら、まだよかった。
覚めてくれるなら、これ以上の願いはない。
『番号変えたんだね?』
どうして、この人は私と普通に話せるんだろう。
私は、この声を聞きたくなかった。
『もしかして、忘れたの?ひどいな、俺はしっかり覚えてるのに』
私だって、覚えている。
忘れたくたって忘れられなかった。
無意識に力の入った拳の爪が、手の平に強く食い込む。
『水城は元気にやってるよ。けど・・・俺はダメだった。A、どうして消えたりしたんだい。君に会いたいよ』
私は会いたくない。
──・・・唯人。
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あかり(プロフ) - 京さん» いやほんとに、作者自身も唯人くんのキャラ変に恐怖を感じております…。考えてもいない展開に進んでて作者もびっくりっす←ありがとうございます!冬休みなんで今こそ亀更新を改善しようと試みております!! (2018年12月27日 12時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 何!?もうこわい!唯人君どうしたん!?ストーカー通り越してサイコストーカーやで!?((失礼しました。あまりの変化ぶりにちょっとリアルでいそう…。と思ったのでつい((宮古君のほうも楽しみですねぇ!更新頑張ってください! (2018年12月27日 9時) (レス) id: abb6f0cd00 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - まひろさん» ありがとうございます!宮古くんPartの方が明らかに長いですねすみませんんん(( (2018年12月11日 22時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
まひろ - リク早速書いてくださりありがとうございます!宮古くんの裏?の本音みたいなのが見れてすごくよかったです!!ありがとうございました(´ω`) (2018年12月11日 7時) (レス) id: e1cfe1ea92 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 夜さん» リクありがとうございます!それはもう、諏訪くんは手塩にかけてかわいさを磨いております!←諏訪&主人公でちょっとむずっとする関係のふたりの日常で書かせていただきます!)^o^( (2018年12月10日 21時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
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