8話「カレー」 ページ9
諏 「二ノ瀬、好きな食べ物はなんだ?」
最近、諏訪くんが休み時間ごとに私に質問をしてくる。
1時間前は「好きな教科はなんだ?」で、
昨日は「好きな色はなんだ?」だったし、
一昨日は確か「好きな動物はなんだ?」だった。
・・・君が一体なんなのか知りたいよこっちは。
「んー・・・ラーメン?」
我ながらちょっと女子力ない気はするけど、まあ事実だから仕方ない。
諏 「おお、ラーメンか」
頷きながら手元のメモに何かを書き込む諏訪くん。
・・・メモ。
「ねえ諏訪くん、一昨日から気になってたんだけど、そのメモ帳なに?」
諏 「ああ、コレか?」
諏訪くんは書くのをやめ、表紙を見せてくれる。
・・・"二ノ瀬ノート"。
怖いわ。
「・・・なに、これ」
諏 「見て分かるだろ、二ノ瀬ノートだ!」
こいつ、マジかよ。
リアルにそんな言葉が浮かぶほど、衝撃的だった。
諏 「二ノ瀬の強さの秘訣をしろうと思って」
私の強さは好きな教科とか色とかにあるの?
「諏訪くんは、好きな食べ物なんかあるの?」
いろいろと突っ込みたいのを抑え、精一杯の平静をよそおって逆に尋ねてみる。
諏 「カレーだな!」
おお、即答。
「そんなにカレー好きなの?」
諏 「カレーは美味いんだ。
チーズやカツをのっけるのもいいし、福神漬けは定番だな。
それに、カレーは子供から大人まで幅広い世代から支持を受けている。
強くなるためにも、カレーは最適だ。
熱々で辛いカレーを、汗をかきながらかきこむ・・・
これこそ真の強さだ!」
「あ、そうなんだ・・・」
カレー最強説。
諏訪くんのカレー愛は痛々しいほど分かったので、とりあえずこの話題をやめようと、前に向き直る。
諏 「・・・っあ、悪ィ、ついカレーのことになると熱くなって・・・」
「そっか。授業始まるよ」
諏 「ああ、そうだな!」
その満面の笑顔はやめてほしい。
それに、何度も言うようだけど、諏訪くんのせいで私は今だに女友達がゼロだ。
『──あの子、また諏訪くんといるよ』
『いいなー』
『でも勇気あるよね、転校生なのにあんなに諏訪くんと・・・』
嗚呼、今すぐ「違うんですぅうぅうう」と叫んで割り込みたい。
諏 「二ノ瀬、そわそわしてどうした?」
「なんでもないよ・・・」
もう誰でもいいから早く助けてください。
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あかり(プロフ) - ISLAYさん» ありがとうございます!!そうなんですよー!主人公よりかわいくあれ!と思って書いております←(^^ゞ (2018年11月26日 18時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
ISLAY - 諏訪くんって、可愛いですよね。 (2018年11月26日 9時) (レス) id: a0fdea4e50 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - まひろさん» ありがとうございます^^イラスト集が完結した分、こちらの更新が亀にならないよう気をつけていく所存です!← (2018年11月24日 14時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
まひろ - とっても面白いです!!イラストが完結してしまったのは寂しいですが、小説も応援しております!!∩^ω^∩ (2018年11月24日 10時) (レス) id: 117c5ce46f (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - かぐやさん» ありがとうございます!!諏訪くん私も好きなんですよ~。ちょっと、いやかなり私の好みが組み込まれてます笑 (2018年10月28日 21時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
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