諏訪くんは普通じゃない

5話｢喧嘩｣ ページ6

諏 ｢喧嘩がしてみたい｣






そう､諏訪くんが言ったのは｢結婚しよう｣の話から一週間後だった｡





｢は？｣




私はいつも通り唐突過ぎる諏訪くんについていけず､いつも通りあきれる｡





｢なんなの､急に｣



諏 ｢俺は殴り合いの喧嘩というものをしたことがないんだ｡


･･･これを見てくれ｣





諏訪くんが出したのは､少年漫画の雑誌｡



開かれたページに､効果音の文字と殴り合う男子が描かれている｡





諏 ｢･･･これをやってみたい｣





瞳が輝いてるのが逆に怖い｡




｢えっと･･･まあ､やればいいんじゃないかな？｣




ま､私には関係ないしね｡



そうタカをくくっていた､つかの間｡





諏 ｢おう｡じゃあ頼むな､二ノ瀬｣








･･･はい？





今､なんと？







｢よろしく･･･って私？｣




諏 ｢ああ､二ノ瀬って確か空手やってたんだろ？強そうだし｣





私空手やってたの？



いや､やってるけど！




やってるけどもな｡






｢駄作者､この期に及んで新設定かよ！｣




諏 ｢？何言ってるんだ？｣






･･･まあ､いい｡


それはいいとして｡




｢男子対女子はさすがに･･･｣



諏 ｢大丈夫だ！俺､喧嘩したことないから！｣





それは知ってる｡





諏 ｢お願いします､師匠！｣





早速師匠呼ばわりかよ｡







･･･なんでこう､この人は突拍子もないことばかり言うんだろう｡








ほんと､諏訪くんって普通じゃない｡

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