38話「安堵と嫉妬は紙一重」 ページ42
諏訪side
奈 「あ、おい諏訪、そこダメだって私のいちごバニラオレ置いてあんだよ!!」
宮 「磯野、危ない。諏訪、こっちなら"すわ"っていいよ?・・・ね?」
「言ってからこっち見ないでくれる?」
最近、二ノ瀬の周りに人が多くなった気がするのは気のせいだろうか。
今のような休み時間だって、以前までなら俺かA組の高木(深空)と話していたのに、あの文化祭の話し合い以来、宮古と磯野がよく一緒にいる。
別に二ノ瀬の交友関係が広がるのはいいことだと思うし、二ノ瀬はそれで悩んでいたみたいだから、安心もした。
けど・・・、
宮 「さっきのネタよかったよね。宮古ダジャレ録に追加しておかないと」
「それ絶対ロクなのないよね」
宮 「誰に向かっていってるのかなァ?」
「ごめんなさい」
奈 「なんで謝るんだよ!!」
宮古はなんだかんだ言って隠れダジャレ好きな二ノ瀬とダジャレで盛り上がっているし、磯野も例外に漏れていない。
俺だけが蚊帳の外にいる気がするのは、被害妄想なのだろうか。
諏 「──二ノ瀬!」
「わっ、びっくりした。何?」
自分でもかなり響いたのが分かった。宮古も磯野もポカンとした顔でこっちを見ている。
気にしている余裕はない。理由もないのに二ノ瀬を呼んでしまった・・・
とりあえず適当に理由をつける。
諏 「わ、悪い・・・あー、ああ、今日も稽古つけてもらえるのか」
「?別にいいけど・・・」
奈 「え、稽古ってなに!?」
宮 「それ、何のこと?」
やってしまった。
二ノ瀬、空手のことは隠してるのに。磯野と宮古がいる前で話すなんて・・・
じとっとこっちを睨みつける二ノ瀬の視線が痛い。
奈 「なあなあ稽古ってなんの?にのっちが何教えてんのっ?」
「待って、あのね、」
宮 「たとえば諏訪が強くなりたくて二ノ瀬が空手とかやってるから諏訪に仕方なく放課後教えてるみたいなのだったりして」
「説明ありがとう白状してくれるかな盗聴器どこ?」
奈 「私も教えてくれ!かっけぇえ」
宮 「磯野はまずその言葉使いをどうにかした方がいいと思うけどね。でも僕も気になるな。今度見せてよ?」
・・・別に、ふたりだけの秘密だったわけじゃない。
奈 「頼むよーにのっち!」
俺以外にも、知ってる奴はいるはずだ。
ただそれが、少し増えただけ。
「別にいいけど・・・面白いものじゃないよ?」
なのに、
ちょっとだけ寂しいのは、なぜだろう。
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あかり(プロフ) - ISLAYさん» ありがとうございます!!そうなんですよー!主人公よりかわいくあれ!と思って書いております←(^^ゞ (2018年11月26日 18時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
ISLAY - 諏訪くんって、可愛いですよね。 (2018年11月26日 9時) (レス) id: a0fdea4e50 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - まひろさん» ありがとうございます^^イラスト集が完結した分、こちらの更新が亀にならないよう気をつけていく所存です!← (2018年11月24日 14時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
まひろ - とっても面白いです!!イラストが完結してしまったのは寂しいですが、小説も応援しております!!∩^ω^∩ (2018年11月24日 10時) (レス) id: 117c5ce46f (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - かぐやさん» ありがとうございます!!諏訪くん私も好きなんですよ~。ちょっと、いやかなり私の好みが組み込まれてます笑 (2018年10月28日 21時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
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