25話「驚きの告白」 ページ26
あれ以来、あからさまに水城の様子がおかしい。
いつも元気な水城がぼーっとしたり、お昼休みにお弁当も出さずに席に座っていたり。
とにかく全部おかしい。以前の水城と、全然違うのだ。
ほら、今日だって。
「水城、ごはん行こう?・・・水城ってば」
水 「・・・っえ、あ、うん」
明らかに生返事だろう曖昧なうなずきが返ってきて、思わず眉をひそめる。・・・なにが原因なんだろう。
中庭に行くと、ベンチにはすでに誰か生徒が座っていた。仕方なく、校舎裏のもう一つのベンチに移動する。
古びた木でつくられたベンチは、腰掛けるとギシ、と嫌な音を発した。
隣の水城を見やる。また、虚ろな目をしている。
・・・どうして?
「・・・水城、なにかあった?」
水 「・・・え・・・?」
私の質問を聞いていたのかいないのか、彼女は不思議そうにこっちを見た。
「最近、水城変だよ。ぼーっとしたり、元気ないもん。・・・悩み事、とか」
"関係ないでしょ"。そう言われるかもしれないと考えていなかったわけじゃない。
けど、明らかに様子のおかしい親友を放っておくほど馬鹿でもなかった。
「話せないならいいよ。でも、聴いてほしいことがあるなら、いくらでも聴くから」
水 「A・・・」
水城は私の名前を呼んで、ほうけたような表情をして、それからそっと笑った。いつもの、私の好きな彼女の笑顔だった。
ふたりでお弁当を開き、黙々と食べはじめる。
弁当箱が空っぽになるころには、水城はいつもの水城に戻っていた。
「なにがあったの?」
その問いに、水城は一瞬押し黙ってから、
水 「・・・この前さ、唯人が告られてたじゃん」
「?うん」
なぜ唐突に唯人が出てくるのか分からなかった。
「それがどうしたの?」
首を傾げて見せると、水城の頬があっという間に真っ赤に染まり、
水 「・・・き、なんだ」
「え?」
水 「あた、ぁたし・・・唯人のこと、好き、なんだ・・・」
「・・・っぇえええぇええぇえええ!??」
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あかり(プロフ) - ISLAYさん» ありがとうございます!!そうなんですよー!主人公よりかわいくあれ!と思って書いております←(^^ゞ (2018年11月26日 18時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
ISLAY - 諏訪くんって、可愛いですよね。 (2018年11月26日 9時) (レス) id: a0fdea4e50 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - まひろさん» ありがとうございます^^イラスト集が完結した分、こちらの更新が亀にならないよう気をつけていく所存です!← (2018年11月24日 14時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
まひろ - とっても面白いです!!イラストが完結してしまったのは寂しいですが、小説も応援しております!!∩^ω^∩ (2018年11月24日 10時) (レス) id: 117c5ce46f (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - かぐやさん» ありがとうございます!!諏訪くん私も好きなんですよ~。ちょっと、いやかなり私の好みが組み込まれてます笑 (2018年10月28日 21時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
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