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もう一度、首を薙ぐ。
先ほどと同じように血が吹き飛ぶ。
だが、斬られた箇所がまるで逆再生のように傷が塞がっていった。
「回復系の異能者か……!」
「厄介だのう」
「ふふっ、そんななまくらで数億年をゼロにするのは叶わないわ。
もっと本気でかかっていらっしゃいな」
そういい永琳は右腕を掲げる。
───【蓬莱】地上の罪人───
彼女がそう呟いた途端、凄まじい速度でレーザーが展開される。
あまりの速さに猟犬組が目を見張った。
「鈴仙がお世話になったからその御恩を返されているつもりで受け取ってちょうだい。
今度は私の番ですよ」
にっこりと笑った永琳は、永夜異変ぶりに本格的に弾幕を撃つようで心なしか楽しそうに見える。
「それじゃあ
永琳が後ろを見ずに背後にいた輝夜に頷いて見せると、輝夜は左手を左に突き出し色鮮やかな弾幕を打ち出した。
次いで、永琳も楕円形の弾丸を打ち出した。
あまりの密度に五歩足を踏み出すことすらままならない。
「くっ」
福地が剣を振り上げるも、弾丸は弾力強く剣を跳ね返した。
「何?」
「ああそう、この弾丸は弾力性を備えているので悪しからず。
私たち、少し癪に触ることがあってねぇ」
輝夜がにっこりと笑みを描いた。
その笑みは地上にある言葉では尽くせない美しさと不気味さと妖艶さがあった。
「私ね、気に入らないのよ。貴方の性根の腐った姿が」
先ほどの飄々としていた空気を一新、ひどく冷えた声で輝夜は言った。
彼女の視線の示す先は、訝しげに眉を顰める福地である。
福地の周りを避けるように弾丸が残像を残して通過する。
「貴方、目的のためなら部下をためらいなく切り捨てて、自分の利益に走るでしょう?
そういうところ、私大っっ嫌いなの」
純粋なる怒りを孕んだ声に福地が押し黙る。
「……どういうことだ。
儂はこの猟犬という部下をとても大切にしてきたつもりだ」
「こいつらじゃないわ、とぼけないでちょうだい」
それはさらに彼女の怒りに触れたようで、より憎しみの混じったような声になった。
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輝夜の欠けた満月事件の発端は元々鈴仙が拐われるかもしれない、と言った物ですし、今でも地上で自分を育ててくれた老夫婦に恩を感じていますし、輝夜は昔らしし感じで義理堅く、部下をとても信頼するタイプだと思います。
よって、この激昂。
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颯貴@東方&文スト大好き人間(プロフ) - 四葉のコトリさん» コメありがとうございます!幻想郷vsヨコハマは私の自己満妄想なので、喜んでいただけてとても嬉しいです…。稚拙な素人ではありますが、これからも読んでいただけると嬉しいです!! (2022年1月14日 19時) (レス) id: 61e081417a (このIDを非表示/違反報告)
四葉のコトリ(プロフ) - 初コメント失礼します!Pixiv見てたら見つけたので来ました!幻想郷をヨコハマが戦うなんて夢のようです!更新頑張ってください!応援しています!文章とても分かりやすいですね!長文失礼しました。 (2022年1月13日 2時) (レス) @page28 id: 9e21ae10ce (このIDを非表示/違反報告)
颯貴@東方&文スト大好き人間(プロフ) - ねこルージュさん» おk、すまねえ…。できたら教えてちょ (2021年12月19日 23時) (レス) id: 61e081417a (このIDを非表示/違反報告)
ねこルージュ - あ、ビビッドアーミーってやつやってるんだけど、その時の名前がこちらなのでyunanaからこれにかえま〜す (2021年12月19日 21時) (レス) id: f9dc735e37 (このIDを非表示/違反報告)
ねこルージュ - ありがとありがと。小説は少々お待ち下さいね〜。ツイステ六章で推しが弱るシーンを本能のままに書きなぐってるとこです…では、かけたら言うわ。 (2021年12月19日 21時) (レス) id: f9dc735e37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:颯貴@東方&文スト大好き人間 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/MizuhasiSatuki/
作成日時:2021年9月28日 19時