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戦後急速に拡大した都市、ヨコハマ。
異能者の暗い影が差す街でもあるが、異能などとご縁のない一般国民には港のあって栄えている街、という認識であろう。
そんなヨコハマには、大都市ということも相まって四つの高層ビルがある。
うち三つは、数週間ほど前に “ 騒ぎ ” のあったポートマフィアの所有するものだ。
だが、その騒ぎには圧倒的な謎が多かった。
なぜか、軍警の誇る異能機動部隊の精鋭がポートマフィアのビルの前で重装備を構えていたこと。
なぜか、近隣で同時刻にビルの方面から爆発音の通報があったこと。
これだけならばここヨコハマではさほど問題にはならない。
ここは元々異能犯罪者の坩堝だった場所だ。
もとより治安は捨てたものだし、その理由の筆頭株のポートマフィアあとあらばもはやちょっとした武力暴動はもはや日常に変わりない。
だが問題なのは、軍警に大きな暴動がポートマフィアで起こっていると通報した者も、ここ軍警の総本山であるビルに機動隊へ指示を出した者も、それらの記憶がない、ということである。
皆一様に口を揃えて “ 知らない” “ 記憶にない ” の一点張り。
だが機動隊は確かにポートマフィアビルの前にいたし、軍警の電話には電話の履歴が残されていた。
履歴をたどって通報した側に訪ねるも、答えは知らぬ存ぜぬ記憶にないのみ。
最終的には軍警を騙る詐欺人だと誤解され家を追い出された。
……よくよく考えれば、そんな騒ぎがあったということ自体も、日頃の過度な仕事から成す幻覚の一種に感じてくる。
というか、軍警の関係者はそうとしか思っていなかった。
特務課も最初は異能による記憶操作を疑ったが、清々しいまでの情報の無さに白旗を上げたようだった。
メガネをかけた年若な男が、しかめっつらを引っ提げて軍警のビルから出るところを見たのは、実に一昨日のことである。
話は戻るが、ここ……ヨコハマの軍警の本拠地のビルは、ヨコハマにある四つの高層ビルの一つだ。
素人が見ればただの
ただでさえいつも緊迫感の漂っている軍警であったが、今日は普段より段違いに緊張感が迸っていた。
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颯貴@東方&文スト大好き人間(プロフ) - 四葉のコトリさん» コメありがとうございます!幻想郷vsヨコハマは私の自己満妄想なので、喜んでいただけてとても嬉しいです…。稚拙な素人ではありますが、これからも読んでいただけると嬉しいです!! (2022年1月14日 19時) (レス) id: 61e081417a (このIDを非表示/違反報告)
四葉のコトリ(プロフ) - 初コメント失礼します!Pixiv見てたら見つけたので来ました!幻想郷をヨコハマが戦うなんて夢のようです!更新頑張ってください!応援しています!文章とても分かりやすいですね!長文失礼しました。 (2022年1月13日 2時) (レス) @page28 id: 9e21ae10ce (このIDを非表示/違反報告)
颯貴@東方&文スト大好き人間(プロフ) - ねこルージュさん» おk、すまねえ…。できたら教えてちょ (2021年12月19日 23時) (レス) id: 61e081417a (このIDを非表示/違反報告)
ねこルージュ - あ、ビビッドアーミーってやつやってるんだけど、その時の名前がこちらなのでyunanaからこれにかえま〜す (2021年12月19日 21時) (レス) id: f9dc735e37 (このIDを非表示/違反報告)
ねこルージュ - ありがとありがと。小説は少々お待ち下さいね〜。ツイステ六章で推しが弱るシーンを本能のままに書きなぐってるとこです…では、かけたら言うわ。 (2021年12月19日 21時) (レス) id: f9dc735e37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:颯貴@東方&文スト大好き人間 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/MizuhasiSatuki/
作成日時:2021年9月28日 19時