秋 ページ20
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夏の蒸し暑さは消え、涼しいとは言えないような風が吹き始めた時期。
高校3年生は早くも受験が終わっている人もいれば、これからという人もちらほらいる。ここからが正念場だと気合いを入れる人も視界に入る。
進路先がほぼ決まっているAは、ノートの端っこにサッカーボールを描いて暇をつぶしていた。どんなときでも、頭の中はサッカーのことだらけ。
ただ少し考えることは、日本を出てからのこと。言語は勿論、人間関係も全て最初から。頼りにしていた風丸はいないし、サッカーを誘ってくれる円堂もいない。
「…あーあ、なんかなぁ」
自分だけ置いていかれているような。周りと比べると、そんな気がしてならなかった。
周りより先が決まっていても、何故か寂しさのほうが勝ってしまっている。自分から選んだ道だというのに、この感情はなぜ湧いてしまうのか。
ワガママな自分に嫌気がさし、現実逃避をするようにスマホを触る。SNSや動画を見ても満たされることのない心。心を許している友人も限られているためか、メッセージアプリの通知もほとんどないはずだったが、彼女のスマホに突然通知が届く。
送ってきた相手はあの不動であった。滅多にない限り彼は連絡を寄越すことがない。
動揺が隠しきれず、近くにいた風丸たちにどうしたのかと尋ねられたが、何事もなかったように振る舞って教室をあとにする。
あからさまな態度ではあるが、彼らは踏み込むことはしなかった。
それは彼らの優しさもあるが、もしも想定しない出来事が起きた場合、引きずってしまうからだ。どこに転んでも気持ちが左右されることは確実。だから深堀しない。
しかし、本音は探究心に溢れていることを彼女は知らない。
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maya(プロフ) - 押し付けがましくない愛されが何ともキュンキュンします！更新待ってますので、応援してます (2021年7月3日 8時) (
レス) id: 8486f071d9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 続きが読みたい!!(クソデカボイス) (2021年1月14日 18時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずあめ＠おれんじ
| 作成日時：2020年9月27日 19時
