春 ページ1
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浅風Aは早い段階で挫折を二度味わった。
ひとつ目は、親との関係。
親は二人とも共働きで、彼女のことなんかちっとも気にかけることなく、ただただ一人にした。
だが、宇宙人(笑)と戦っている間に、当時三歳の弟は愛されていた。
彼女は仕方のないことだと笑った。
前からそんな気はしていたとAは語る。
両親のあからさまな態度にうんざりしたAは、早いうちに家から離れようと決心し、高校に上がるとすぐにバイトを開始。
部活を兼ねながらであったが、彼女は疲れなど気にも留めずに身体を動かした。
そして、ふたつ目。それはサッカー。
今でも続けているが、男女の差を見せつけられてしまった。
FFIは女子は参加できない。
それをわかっていながらも、もしかしたら、なんて淡い期待を抱いていた。
しかし、仲間とはあの大きなフィールドには立てず、泣く泣く諦めた過去がある。
監督である久遠にマネージャーを頼まれ、女で産まれたことを恨んだ。
自分が男だったら選手に選ばれたかもしれないのに。と何度も悔やみ、特訓している彼らを見て下唇を思いっきり噛み、血を出し、あからさまに様子が変化してもなお、嘘をついた。
仲間に悪態をつくことはなかったが、誰にもバレないように泣いた。
もしも男だったら、なんてIFストーリーを思い浮かべては虚しさに襲われる。自分を傷つける現実逃避にしかならないというのに。
しかし、本当に男だったらと考えると、自分の扱いはもっと丁寧だったかもしれないなと考えた。
なぜなら、男の子がほしいと、父と母は強く願っていたから。
──桜が舞う道路。
そんなことをふと思いだし、胸がズキンと傷んだ。
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maya(プロフ) - 押し付けがましくない愛されが何ともキュンキュンします！更新待ってますので、応援してます (2021年7月3日 8時) (
レス) id: 8486f071d9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 続きが読みたい!!(クソデカボイス) (2021年1月14日 18時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずあめ＠おれんじ
| 作成日時：2020年9月27日 19時
