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大貴side
病院は近いからタクシーを呼ぶより俺が運転した方が早いだろうと思って、後部座席にゴミ袋を敷いてから涼介を横向きに寝かせた。
大貴「……すぐだから、すぐつくからね」
天も俺たちに味方してくれたのか赤信号もなくスムーズに病院に到着。
病院の入り口にはもう伊野尾先生が待ってくれていて、抱っこして涼介を預ける。
慧「……涼ちゃーん、よくがんばったね、もーう大丈夫。先生がよくしてあげるからな」
大貴「……りょう、りょうすけ」
涼介を病院に連れてきた安心感で足に力が入らない。
慧「中の長椅子で待ってて、すぐ処置するから。大丈夫だよ大貴くん。よく連れてこれたね。」
へろへろの俺の肩をぽんっと叩いて伊野尾先生は優しく笑った。
俺の不安な心を溶かしてくれて、目の前の景色がじわっと滲むのが分かった。
・
大貴「俺が、目を離さなきゃこんなことになんなかったのに……」
1人で大きな長椅子に座ると後悔ばかりが募る。
『お若いのにシングルファザーですって』
『お子さんも体がよろしくないそうよ』
『何話したらいいか分からないものね』
以前公民館で開かれた育児教室に参加したものの、避けられてしまった苦い思い出が蘇る。
男だから、若いから、子供が病をもつから。
それだけで取り残されてしまうこの世界に嫌気がさした頃だ。
昔はなんで俺ばっかり辛いんだろう。好きなことがしたい。
そう思うばっかりだった。
でも。
涼介がぱぱって呼んで笑ってくれたあの日から、もう涼介無しじゃ生きれないって感じた。
もし、涼介が俺のせいで……と考えるだけで体が震えてきた。
大貴「………んっ……んくっ」
弱いパパでごめん。涼介の方が何億倍も辛いのに俺が泣いてばかりで。
慧「……大貴パパ」
頭上から降ってきた優しい声。
そして
「………ぱっ………ぱ」
両手を俺に伸ばしてくる息子。
大貴「りょうすけっ！！」
慧「……あららはいはい、やっぱパパがいいんだね」
伊野尾先生から涼介を受け取って抱きしめる。
暖かい温度が全身にめぐる。
慧「……嘔吐と下痢は経鼻栄養によるものじゃなかったよ。ノロウイルスだった。今は吐き気どめと抗生物質入れたから落ち着いてるし何日かすれば元気になるよ。」
大貴「ありがとうございましたっ……」
俺はボロボロに泣きながらお礼を言った。
・
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めろん(プロフ) - 初めまして、いつも更新楽しみにしています。リクエストお願いいたします。�睫擇�ん伊野尾くん裕翔くんが兄弟の設定で裕翔くんが末っ子で心臓病のお話が読みたいです。よろしくお願いします。 (2020年2月2日 0時) (
レス) id: 84d6dad1ff (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ - リクエストのお話を書いてくださりありがとうございます！ 何回も読んじゃうくらい好きです！ 次のリクエストなのですが、脳性麻痺で車椅子を使用している涼介くんでお願いします。家族パロみたいな感じがいいです。これからも楽しみにしてます！ (2020年2月1日 10時) (レス) id: 33af8bde7c (このIDを非表示/違反報告)
mui☆(プロフ) - 知念くんが喘息持ちでノロになっちゃって過呼吸ぽくなっちゃうのがみたいです (2020年1月31日 22時) (レス) id: e94457ec1d (このIDを非表示/違反報告)
凪(プロフ) - ゆあさん» リクエストのお話を書かせていただきました！！またのリクエストをお待ちしております！ (2020年1月31日 21時) (レス) id: 1693d0e47d (このIDを非表示/違反報告)
やまたか - いえいえ…！とても素晴らしいお話でしたよ！完結させてくださりありがとうございました！これからも更新頑張ってください！ (2020年1月31日 21時) (レス) id: 6533d85759 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あむ
| 作成日時：2020年1月10日 23時
