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侑李side
侑李「にーちゃん!あとちょっと!にーちゃん!!」
周りの人も穏やかに見守ってくれている。誰一人急かしたり、嫌な目で見たりしない。
にーちゃんが必死に歩く姿を温かい眼差しで見てくれている。
そして、ゴールまであと数メートル。
侑李「にーちゃん!!がんばれ!もうゴールだよ!!」
にーちゃんがちゃんと80メートルを完走しようとしている。僕は必死になってにーちゃんを励まし続けた。
宏太「あれ、慧くん…」
侑李「え、にーちゃん!」
慧「…ぁーっ、…きゃっ、……ぬぅ〜っ」
何とゴール付近にいた僕の方に向かって一直線。
侑李「違うよ、にーちゃん!向こうだよ。」
慧「ぅ〜っ、…」
ロープを跨いでそのまま僕の方に来ようとするから、裕翔先生が来てくれてまたコースに戻される。
裕翔「慧くーん、侑李くんいたね。気がついてたんだ。でもあと少し頑張るよー!」
先生方の手厚いアシストが功を奏して、にーちゃんは初めて、かけっこを完走した。
侑李「すごいよっ、にーちゃんはしれたぁ…っ…すごいすごい、」
宏太「おめでとう、侑李。慧くん凄かったな。」
侑李「うん!にーちゃん、天才!」
5位の位置につれていかれたにーちゃんだけど。本人もとても満足そうに指ヒラをしていた。
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作者名:あむ | 作成日時:2021年9月1日 13時