・ ページ39
裕翔side
今日は中学部と高等部合同の運動会の日!
この日のために皆、一生懸命練習してきたんだよね。
お天気はいい感じの曇り。神様も味方してくれたみたい。
普通はぴかぴかの晴天が運動会日和なのかもしれないけれど、ここにいる子達は暑さに弱かったり、眩しい光が苦手だったり。
大貴くんもその1人で、練習中は視覚過敏の影響で具合が悪くなってしまうこともあった。
だから今日は思いっきり、力を発揮できそうでほっとした。
裕翔「大貴くん、慧くんおはようございます。今日は一緒に頑張ろうね!」
大貴「だいちゃんね、運動会たのしみだったよ!」
裕翔「ほんと?嬉しいな。…でも体育着が前後ろ反対だ。直そっか。」
大貴「えー、大ちゃんこれがいいー」
裕翔「それだと、お首苦しいでしょう。直したらもっとかっこいいなぁ。」
大貴「ちゃん!おはよう!あ、ごめん1の声。」
裕翔「…ちょいちょい、」
俺の忠告を聞き入れたくないと言うかのように、慧くんの方に方向転換。
「ちゃん」というのは大貴くんが考えた慧くんの呼び名。
多分侑李くんがお迎えに来てくれた時の「にーちゃん」を真似しているうちに変形して「ちゃん」だけが残ってしまったのだと思う。
でも、慧くんも意外と「ちゃん」が自分の事だと分かっているらしい。
意外と2人はいいコンビでやってる。まだたまに、大貴くんの大きな声に慧くんが怒っちゃうこともあるけどね、笑
裕翔「慧くん、準備おっけーだね!頑張ろう!」
大貴くんの体育着を直しながら話しかけると、指をひらひら動かしてにやっとした慧くん。
慧くんにとっては最後の運動会。ご家族にいい所見せないとね。
・
267人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あむ | 作成日時:2021年9月1日 13時