カラフル (ページ2)

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そらいろページ2

侑李side

〈俺、昨日兄ちゃんとゲームした！〉

〈俺の兄ちゃんはお小遣いくれたぜ？〉

〈……甘いな！こっちはドライブだっての！〉

教室で始まった兄弟自慢。

〈なぁ、侑李もお兄ちゃんいるんだろ？〉

楽しそうな皆の話を聞いていたら、急に僕に目線が飛んできた。

侑李「うん。僕は、昨日にーちゃんと公園に昆虫見に行った。」

どうしてだろう。大好きなにーちゃんを自慢しただけなのに、酷く笑われた。

確かに、にーちゃんはお話できないけど。

確かに、すぐ泣くし、すぐ怒るけど。

でも。でも……。

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侑李「にーちゃん。外行く？公園いく？」

光が差し込むベランダはにーちゃんのお気に入りの場所。

日に当たってるうちに、くーくー寝ちゃうのが可愛いんだよね。

久しぶりの休日。ベランダで火を浴びていたにーちゃんは、「公園」の意味が分かったのかすぐに立ち上がり、すたすたと玄関まで歩いて行った。

「公園」わかるようになったんだ。嬉しいな。

侑李「にーちゃん？靴履くよ。そのままじゃ、いけないよ。」

でもまだ「靴を履く」は難しかったみたい。靴下のまま、キョトンとして鍵がかかったままのドアノブを何度も捻るにーちゃん。

ドアノブから引き剥がし、玄関に座らせて靴を履かせてあげる。

侑李「ほら、テープ。自分でやってごらん？」

にーちゃんはまだマジックテープの靴から卒業できない。お洒落な紐ぐつ履くにはあとどれくらいかかるかな。

慧「……？？」

侑李「…じゃあいっしょにね。はい、ぺったん。」

結局にーちゃんはマジックテープのざらざらしたとこを撫でるだけだった。

だからにーちゃんの手に上から自分の手を重ねて、マジックテープを止めた。

そしたら、にーちゃんは嬉しそうに笑った。

靴を履けるようになったら、きっと一人でどこかに行っちゃうだろうから、まだできなくていいや。

そう思った。

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