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雄也side
慧は、深夜に発作をよく起こした。
その度に俺が、背中をさすって薬を吸わせた。
初めこそ、慧に対して鬱陶しい気持ちがあったものの、彼の口から出る「ありがとう」の言葉を聞くことが嬉しさに変わっていった。
それは、今まで助けられる側にしかいなかった俺の存在価値が見出せたみたいな感覚で。
まあ、昼間に食らう遊んで攻撃は未だにかわし続けているのだけど。
俺が慧を看病する時間だけが少しずつ、12歳も年が離れた俺たちの距離を縮めていった。
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「……雄也、よく考えて。これをすれば今よりもっと症状が良くなるんだ。」
雄也「……治るわけじゃねぇんだろ。」
「……でも、やってみる価値はあるよ。」
雄也「…もう、懲り懲りなんだよ、手術なんて！！…俺は絶対、受けないからな！！」
「……また、来るよ。」
俺は、意味が分からない言葉が並べられたパンフレットを医者に投げつけた。
雄也「………っ、はぁっ…くっそ、」
自分の体がヤバいことなんて、自分が1番わかっていた。
それでも幾度となく重ねた手術に価値を見出せなくなっていたのも事実。
左胸に手を当てると、微かに感じる鼓動。
手を滑らせれば、重なり合った手術痕が指先を刺激する。
第一、症状が軽くなったからってなんだ？
俺には、家族も友達もいない。…帰る場所なんてないのだ。
……それなら、もういっそ。
慧「……たかぎぃ、大丈夫？」
「…しゅじゅつ、…するの？」
�爐爐砲�ん�瓩鯤�きしめながら俺の顔を覗き込んできたのは慧だ。
さっきの俺と医者の言い合いを聞いて、びっくりしたのだろう。
雄也「……俺にとって幸せって何だろう。」
慧「しあわせ？」
雄也「……お前はいいな、悩みとか無さそうで。」
俺は柔らかな栗色の髪をくしゃっと撫でる。
意味が分からないと言うふうに首を傾げる姿を見て、俺は羨ましくなった。
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新道踏切(プロフ) - リクエストお願いします！伊野尾くんが心臓病でいつも心配してくれるやん家族に反抗期で、冷たく当たる話が読みたいです(*^^*)毎回楽しく読ませて頂いてます！更新頑張ってください!! (2021年1月14日 8時) (
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作者名：あむ
| 作成日時：2020年12月19日 20時
