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雄也side
6歳の子どもと言うものは、俺が想像していた以上にそりゃまあパワフルで。
慧がいるだけで病室の温度が上がっている様にさえ感じる。
慧「ねぇ、たかぎー！遊ぼうよ〜」
雄也「何度言ったら分かるんだよ、俺はガキに付き合ってる暇なんてないの。」
慧「ぼく、ガキじゃないよ！もう小学生になるもん！」
雄也「あー、はいはい。カッコいい小学生になるために平仮名でも読んでおきな〜」
慧「…うぅ〜！くっそー、バカにしやがって！」
このようなやりとりを懲りずに1日に何回も。
俺のベッドに絵本やらおもちゃやらを握りしめてやって来て、遊べ遊べと催促する。
挙げ句の果てには、こんな事も。
雄也「あーもう！鬱陶しいな、ついてくんな！」
慧「えー！たかぎとお散歩したい〜。ねぇ、いいでしょ？」
雄也「なに1つ俺にメリットないじゃねぇか！」
慧「あ、待ってたかぎー！」
トイレ一つとっても、離れようとしない。
何度あしらっても、俺の後ろを金魚のフンみたいにくっついてくる。
どうしてそんなに俺にこだわるのか。
何故拒んでも拒んでも、へこたれないのか。
全く理解が出来なかった。
・
俺が、いつも元気なアイツの弱い姿を見たのは入院して来て3日の時だった。
消灯時刻はすっかりすぎているけれど、早い時刻に眠れるわけもない俺は毎日布団に潜ってゲームをするのが日課。
その日もいつものようにオンラインゲームを楽しんでいた。
でも静かな筈の隣のベッドから寝返りを打つ音が絶えず聞こえていて、少しばかり気を取られていた。
しばらくすると、暗い病室に咳き込む音が聞こえ始める。
……俺だってここで放っておくほど、鬼な奴じゃない。
ゲーム機の電源を切って、仕切りのカーテンを開ける。
慧「…げほっ…、げほっ……けほっ…」
そこには、子猫のぬいぐるみを握りしめながら咳込む慧が。
雄也「…大丈夫か？」
ベッドサイドにあかりを付けると、慧はびっしょりと汗をかいていた。
慧「……っ、ひゅー……っ、…けほっ、」
雄也「…体起こした方が楽になると思う。少し頑張れ。」
俺が小さな背中に手を添えると、しっとりとパジャマの湿り気が伝わってくる。
ゼェゼェとした呼吸が苦しそうだ。
慧「……た、か……げほっ、….ぎ、」
雄也「喋んな。余計キツくなるから。」
・
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新道踏切(プロフ) - リクエストお願いします！伊野尾くんが心臓病でいつも心配してくれるやん家族に反抗期で、冷たく当たる話が読みたいです(*^^*)毎回楽しく読ませて頂いてます！更新頑張ってください!! (2021年1月14日 8時) (
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作者名：あむ
| 作成日時：2020年12月19日 20時
