微睡み (ページ36)

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◯ 愛の間取り　［桃］ページ36

あなた side

「よしっ、大体こんな感じかな。」

時刻は20:00。

夜ご飯を作りながら、愛しい彼を待つ時間。

同棲を始めてまだ1週間で同じおうちに「ただいま」できるありがたみを感じているところ。

自炊の時は気が乗らなかったお料理も彼のためだったらって頑張れるんだもん、不思議だよね。

はやく帰ってこないかなぁって意味もなくお鍋の中の味噌汁をかき混ぜていたら、彼が帰ってきた音。

本当は駆け出していきたい気持ちをぐっと抑えて、お出迎え。

「おかえり、大我くん。」

『ん、ただいまA。』

車椅子ユーザーの彼。少し低いところから聞こえる大好きな声。

私はリビングからおうち用の車椅子を持ってきて彼の前に置いた。

「もうご飯できてるよ、今日は豆腐ハンバーグにしてみたの。この前大我くんがつくね、美味しいって言ってくれたから。」

『…そっか、たのしみ。』

「大我くん、疲れてる？先お風呂にしてもいいんだよ？」

いつもなら、ご飯のメニューを伝えたら目を輝かせて急いで移乗するのに今日はなんだか元気がない。

『ううん、ご飯たべるよ。これ終わったらトイレしてからすぐいくね。Aも仕事だったのにありがとう。』

そう言って移乗の体制になった大我くん。

私は、その間にお味噌汁を温め直しちゃおうとリビングに戻った。

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