微睡み (ページ21)

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赤 side

久しぶりに外に出て、色んなものを見聞きしたからか家に着くと大我は疲れて眠ってしまった。

リビングのカーペットの上で猫のように丸まって寝ていた大我を抱き上げてベッドまで運ぶ。

今日も朝早く起きてしまったみたいだし、明日はゆっくり眠れますように。

そう願って俺も同じ布団に潜り込む。

「おやすみ、大我。また明日。」

ぱちりと電気を消すと、暗闇に飲み込まれるように意識が薄れていく。

俺も思ったより疲れていたみたいだ。

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『…ん゛ぁあ゛ぁぁあっ！！』

「……っ、」

しかし、次目覚めたのは深夜の3時。大我の叫び声でこちらの世界に引き戻された。

『ぎゃぁあっ、ぁぁあ、』

「大我っ、どうしたの、」

耳を塞いで大きな声を出しながら部屋を暴れ回る大我。

窓の外から聞こえるサイレン。近くで何か事故か事件があったのか。

この手の音は大我にとって1番苦手なもの。彼が両親を失った時の事故の記憶と結びついてしまうから。

『ぃやぁあっ、…ぁあっ！』

「やめて、大我っ！傷つけるのだけはやめて。」

耳奥で反響する音をかき消そうとしてか、大我は壁に自らの頭を打ちつけ始める。

「しんどいよね、大我。大丈夫、ジェシーが一緒だから。こんな音すーぐなくなるから。」

暴れ回る大我を後ろから抱きしめて、腕の中に収める。

忘れられない負の記憶は大我を苦しめ続ける。

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