好きと気付いたバレー馬鹿【木兎光太郎】 (ページ9)

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9、プレゼントページ9

「木兎先輩ー！」

「おぉA！」

翌日の土曜日。女バレは月に数日のOFFの日だ。
だがAは自主練をすべく、学校へ向かった。

「これあげます。生地が気持ちんですよ」

そして男バレが活動中の体育館に顔を出し、昨日買ったタオルを渡した。
もちろん尾行していた木兎は、このタオルを買っていた事は知っていた。が、木兎の為に買っていたとは知らなかった様だ。

「……よっしゃー！！！！」

加えてこの喜び様。
Aは木兎に何かプレゼントするのが好きだ。
これ程までに喜んでくれると、あげた側も気持ちが良い。

「良かったなー木兎。だからってもらった物を上に投げるのは止めろよ」

木葉が“早くしまっとけ”と木兎に一言付け足すと、部室にある自分のバッグ目掛けて、木兎は風の様に去って行った。

「今日はA一人だけなのか？」

「午後から一年コンビが来ます。他のメンバーは都合合わなかったみたいです」

「んーAが都合悪いって珍しいな」

「もう受験生ですからね。家帰ってからも遅くまで勉強頑張ってるみたいですよ」

「流石だなー。俺も頑張んねーと」

そこで一つ、木葉に疑問が生まれた。

「あいつ、スポーツ推薦じゃねーの？」

「岬姉、高校でバレー辞めるらしいですよ」

「……はぁ？！」

姉の進路について、勝手にペラペラと話して良いものなのか。
いや、絶対に良くないだろう。

「あ、他の人には言わないでくださいよ？言ったら……先輩の思いを岬姉に伝えるんで」

「っな！うるせーよA！てか、お前からバラしたんだろーが！」

木葉が慌て出すのを見て、Aは腹を抱える。
涙目になりながら木葉の文句をあしらうと、腹を押さえながらよろよろと歩いて行った。