好きと気付いたバレー馬鹿【木兎光太郎】 (ページ36)

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36、合宿⑳ ページ36

「0対4……」

この結果に、もちろん鳥養は頭を抱える。烏野の0に加え、全て烏野のミスでポイントの入った女バレ。

「精神的にも来ますね。……たった4点で」

「あぁ。あいつらはとにかく拾うチームだな」

拾うチーム、言わば音駒と同じなのだろう。鳥養はそう考えていた。

「そろそろ点決めてくわよ！」

岬の掛け声と共に、Aのサーブ。
先程とは全く違う空気に、烏野は思わず息を飲んだ。

「ナイススパイクサーブ～！」

「ナイッサー！」

Aがボールを右で二回、左で二回付くと高くトスを上げる。

「っらぁぁあ！！」

「っ、」

見事にサービスエースを取ったA。その威力に烏野はバウンドして後ろに飛んでいったボールに目をやる。

「やっぱりAのサーブは女子とは思えませんね」

「威力ぱねぇ」

赤葦が何度見ても驚くと、感嘆の息を漏らす。それは木葉達も同様。

「A！サービスエース取ったらラリー始まらないでしょ」

「え、？」

岬が烏野をネット越しから煽る様に見つめた。

「つ、月島！月島が居るぞ！」

「だからA岬さんだっつーの！！」

日向は月島を指差しさ後、岬を指差す。まぁ言わずとも影山に殴られるが。

「ま、巻き返すぞ！」

澤村が悪い空気を打ち切る様に、大きく手を叩いた。

烏野は巻き返す事ができるのか。Aは変人速攻を見れるのが、とても楽しみで仕方なかった。