33、合宿�´� ページ33
ランニングや筋トレ、ストレッチ等が行われ、ランニングでトップ12人はボールに触った。
その後もハードな練習が続き、昼休憩に。
「A。木兎とのギクシャクどうにかしなさいよ」
食堂へ向かう途中、岬が鋭く言い放った。
周りの女バレメンバーはクスクスと笑いを堪え、肩を震わせている。
「……はーい」
渋々返事をするA。すると後ろから肩を叩かれた。
「昼飯、一緒に食わねえか？」
振り返ると、気不味そうな木兎が立っている。
「いいですけど、いきなり何でですか？」
もちろん予想はついている。どうせ赤葦達に言われたのだろう。先程の岬が言ったような言葉を。
「赤葦達が仲直りして来いって……」
しばらくの沈黙の後、Aは自分の予想が的中した事と、木兎の何とも言えない顔におかしくなったのか、大きく笑い声を上げた。
「だと思いましたよw私も岬姉に言われましたもんw」
Aが笑った事で安心感が出てきたのか木兎も豪快に笑い始める。
「Aすまん！いきなり押し倒して、しまいにはちゅーしようとした！ほんっっとすまん！」
そして笑い終わると、勢いよく頭を下げた。
「……ちゅー、？」
「……あっ」
“ちゅー”と言う初耳のワードに、Aは固まる。
木兎もやってしまったと言うように動揺する。
「あーあ、やらかしたな」
「それは言うなって言ったのになー」
その光景を見ていた梟谷男バレメンバーは呆れ顔。
因みに女バレはさっさと食堂へ行ってしまった。
「……私、彼氏持ちですからぁ！！！」
「Aっ！」
体温が徐々に上昇しAは茹でタコの様になると、食堂とは真逆の方向に走って行った。
「彼氏持ちって、今までハグ止まりだろーがw」
「ハグだけでもAからしたら凄い事」
「そーすよっ！Aさんって意外とシャイですし」
こんな大事になっていては、他校もこの会話は聞いている訳で。
「ほらほら、早く食堂行くぞー」
だが音駒的にはあまり気にしていない様子。ただ烏野のは初の体験だ。
「ちゅ、ちゅーだと、？」
「……やっぱ付き合ってたのかな？」
「いやでも彼氏いるって」
絶賛困惑中である。
木兎は赤葦に拾われ、とぼとぼと歩き出した。
「じゃあ俺がAの所行ってくるわ」
「頼んだぞー」
木兎の代わりに、木葉がAの後を小走りで追って行った。
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作者名：もやし | 作成日時：2020年10月22日 23時
