あなたに酔いしれて【宮舘涼太】 (ページ5)

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Cinco ページ5

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「では、赤ワイン5本お包みしますね」

気付けば時刻は午後17時。
お店に入店してから3時間も滞在してしまった。
試飲した中で気に入ったワインを数本購入、自宅配送してもらう事にし、彼女に会計をお願いした。

「あ、あと。店員さんのオススメしてくれたサングリアも頂きたいんだけど…」

他とは違った珍しさと、サングリアを見るたびに彼女を思い出し、楽しめそうで欲しかった。

だが、彼女の反応は気まずそうに目を伏せ
申し訳なさそうに頭を下げられた。

「…申し訳ございません。
実はサングリアは只今在庫切れで…
入荷まで10日ほどお待ちいただかなければならないんです」

あのサングリアは実は彼女の購入したサングリアだったようで、オススメと聞かれてつい俺に出してしまったんだという。
それを聞いてしまったら、逆に俺が申し訳なくなり頭を下げた。

「大切なワインだったのに、俺の我儘で
俺の方こそごめんなさい」

「頭を上げてください、お客様っ！
私が勝手に開けただけですから

このサングリアの事、褒めてくださって、、
開けた甲斐がありました！」

嘘のない彼女の笑顔。
彼女の熱量は数時間でわかるくらい伝わってきたから。

「じゃあ、、。…ご馳走様でした」

俺は頭を下げてお礼を伝える。
「はい」と聞こえた声と満面の笑みに、俺も頬が緩んだ。