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土曜日。指定されたカフェへ向かうと、既に席についていた高木が手を上げる。隣にお姉さんらしき女性がいて、席を立った。
「初めまして。せっかくのお休みにお呼び立てしてごめんなさい。雄也の姉の茉莉子です」
「伊野尾です」
「薮です」
「あぁ、やっぱりイメージにぴったり!」
茉莉子さんは俺をじっと見て、その後宏太の方も見た。
「あの…僕たちモデルとか全くやったことなくて」
「伺ってます。大丈夫です!きちんとディレクションしますんで」
そう言って茉莉子さんは数枚の洋服の写真を出した。
「今回、モノトーンをメインとした新規ブランドを立ち上げるんです。ユニセッ クスのものがメインで、中性的なイメージのモデルを探してて、たまたま伊野尾さんの写真を拝見しまして」
写真を見ると、確かにデザインがユニセ ックスな感じ。
「私の手掛けているのはインディーズなので、あまり名の知られたモデルは使ってなくて、今回も無名のモデルで行こうと思ってたんです。伊野尾さんと薮さんなら素敵に着こなしてくださると思います。」
…俺に出来るんだろうか…不安しかないけど…
ちらっと隣に座っている宏太を見る。宏太も俺を見ていたのか、目が合った。
「お二人の名前は出さずに、あえて非公開で展開します。伊野尾さんに関しては、男性なのか女性なのか、それすら謎にしてより興味をそそりたいと考えてます」
インディーズだから…そんなやたらあちこちに俺たちの顔は出ないよな。
「あの、」
宏太が口を開いた。
「はい?」
「えと…撮影した写真て…貰えるんですか?」
ふふ、と茉莉子さんは微笑んだ。
「もちろん!せっかくの記念にもなりますしね。オフショットも撮影予定なので、全て差し上げますよ」
宏太が再び俺を見た。
「慧…やってみようよ。俺…俺の見たことない慧が見たい」
「宏太…」
宏太が一緒。
ひとりじゃない。
「写真ももらえるし!」
「ぷっ!!宏太笑」
もう…ホント可愛いんだから。
「…茉莉子さん…よろしくお願いします。ご期待に添えられるよう頑張ります」
「ありがとうございます!!」
「伊野尾くん…いいの?」
「ひとりなら断ってるとこだけどね笑」
撮影用の服は俺たちのサイズで作成するので、採寸をさせて欲しいと言われ、事務所へ向かった。
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ましろ(プロフ) - 夏夢さん» 承りました♪ 必ず書くのでお待ちください(^ε^) (2020年2月1日 0時) (レス) id: 8371985186 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - ましろさん» えっ、リクエストしてもいいんですか?しちゃいますっ(///ω///)♪社会人な二人のお話をぜひっ(>▽<) (2020年1月31日 20時) (レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - 夏夢さん» ありがとうございます(≧∇≦) 夏夢さん、それはリクエストですかっ!?私もこのお話の二人は大好きだし、そもそもスーツ萌えなのでw リクエストしてくださるのならどこかで社会人編書きますよ〜♪♪ww (2020年1月31日 13時) (レス) id: 8371985186 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - 完結おめでとうございます(涙)帝王が年下の、新鮮なお話が更新ごととても楽しみでした(///ω///)♪新しいお話も勿論楽しみにしていますが、黄緑くんも社会人になったこの二人のお話もまた、読んでみたいなと思いました。お疲れさまでした!(*^^*) (2020年1月31日 12時) (レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ゆずさん» ゆず様、初めまして(^^) ファンだなんて、とても嬉しいですー!! 次のお話でもこっそり(←笑)お立ち寄りください♪ (2020年1月31日 11時) (レス) id: 8371985186 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましろ | 作成日時:2019年9月29日 23時