15人の妹 2nd 〜孤独と理由〜

距離と大人 ページ1

龍斗side




Aがリビングを出ていき


静まり返るリビングに残された俺達







本当に俺達とAは兄弟なのだろうか？




こんな兄弟、他にいるだろうか？






15人もいるのに誰一人としてAのことに


気にかかれなかった






小さい頃からピアノが大好きで


暇さえあればピアノを弾いていたA






その努力を生かして部活もしていたはずなのに…






ふと思った





いつからAの笑顔を見ていないのだろうと





俺達がアイドルだからこそAは


絶対に人には言えない悩みをずっと


抱えているはずだ






兄弟なんて一番近い距離にいるはずなのに


Aの存在がどうしても遠くに感じてしまう






宏光にぃが独り言のように呟いた





宏光「Aを早く大人にさせ過ぎた」






Aは16歳の高校１年生だ





でも、中身は？心は？



って聞かれたらきっとAは大人のはずだ







高校１年生なんて友達と放課後に


寄り道やらなんやらして青春を楽しむ時だ






でもAがそんなことをしている姿


なんて一度も見たことがない







もう少し子供でいても良いんだよ






A……

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