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chapter50 ページ5

それからというもの、松田さんと公園で会ってその日の出来事とか愚痴やら何やら話す日々が続いていた。

毎日どう時間を潰そうか悩んでいた頃とは打って変わって、その時間が楽しみに変わっていた。



「そうえいばですね、さっきまた母の新しい男に会ったんですよ。」

「…ったく、懲りねえな。」



まぁ、毎回違う男を連れてくるのはいつもの事だ。

そして、いつもいつも同じようなクズな男ばかり。



「けど、今回の人は今までの奴らとは雰囲気が違くて…。なんていうか、穏やかな感じで。」



そう、つい先程のことだ。

いつものように家を出ようとした矢先、その男に出くわした。



『えっと…景子さんの娘さん、だよね?』


最初は母が連れてきた男だとは思ってもみなかった。

その男は眼鏡をかけていて、確かに顔は整ってはいたがどこかぼんやりした感じでパットしない。

母のタイプとは真逆に思えたのだ。



『…そうですけど。』


警戒心MAXで相手を睨みつける。

いくら物腰柔らかそうでも、うちの母についてくるような男だ。

油断してはならない。



『やっぱりか!どうも似てると思ったよ〜。』


そう言って男は納得した表情をみせ、ニコっと笑った。

今までにないタイプに私は珍しく動揺した。


___ほんとに母の…?



『…あの、家入らないんですか?』

『いや、でも景子さんいないみたいだし…あ、もう店に行ってるみたいだ。』


ケータイに連絡が入っていたのか慌てる男。

なんか、鈍臭い…。



『じゃあ、私行きますので。』

『え、こんな夜遅くに出歩くのかい?危ないんじゃ__』



私はその男の言葉を無視して家を出てきた。

あれ以上構ってたらこっちまで狂いそうだ。





「…ふーん。なに、気に入ったのか?」


いつものように煙草を吸いながら冗談っぽく聞いてくる。


「別に、違いますよ。ただ__」



"昔の母に戻してくれるような気がしただけ。"




「ま、なんでもいいけどあんまり油断はすんなよ。

__人の本性ってのはそう簡単に見えるもんじゃねえ。」



そう言った彼は目の奥は見えないけど、真剣に言ってるのは伝わってきた。




「…そんなの、わかってます。」




なんてわかってるような口を叩いだが、


のちに後悔と絶望が押し寄せることを、

その時の私はまだ知らない。

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なみだうさぎ(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます!!更新不定期で大変申し訳ないですが、できる限り期待に応えられるよう頑張ります!! (2018年10月14日 1時) (レス) id: e3d8bdb6e6 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 続編の移行おめでとうございます!私も楽しみに今後の展開待ってます。 (2018年10月13日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なみだうさぎ | 作成日時:2018年7月17日 21時

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