chapter62 ページ17
安室side
あれからというもの、特に変わったことはなく平凡な日々は続いていた。
けど、1つだけ変わったことがある。
「Aさん、コーヒー1つ__」
「コーヒーですね、了解です。」
「Aさん、もう遅いですしよかったら__」
「いえ!大丈夫です、お疲れ様でした。」
バタンと閉まるドア。
その瞬間鳴る鈴の音はどこか切なげに感じた。
そう。
ここ数日、完全に彼女に避けられているのだ。
「何故だ……?」
別に彼女を怒らせるようなことはしていない。
……たぶん。
最初に様子がおかしくなったのは、確かあの日__
『別に、嫌じゃなかったですし。』
彼女がそんなことを口走ったかと思えば、その直後猛スピードで部屋から出ていった。
取り残された俺は1人ポツンとその場に数分間立ちすくんだ。
昔のことを思い出したのは事実だが、嫌ではなかった。
確かに彼女はそう言った。
「……責任を感じてる俺に気を遣ったのか。」
あぁ、そうだ。
そういうことだろう。
あの時の俺はどうかしていたんだ。
相手は友人の妹で、しかも女子高生だぞ。
無為な考えはよくない。
そう納得して今日まで至るのだが___
「はぁ……。」
女性というものはつくづくわからない。
「安室さん、Aちゃんと何かあったんですか?」
心配そうにこちらを見上げる梓さん。
「ははは、それが僕もわからないんですよ。まぁ、そのうち解決できると思うのでご心配なく。」
そう言って自分にも言い聞かせ、ポアロを出て車に乗り込む。
「さて、どうするか。」
車の中で1人作戦会議を始めるのであった。
697人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なみだうさぎ(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます!!更新不定期で大変申し訳ないですが、できる限り期待に応えられるよう頑張ります!! (2018年10月14日 1時) (レス) id: e3d8bdb6e6 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 続編の移行おめでとうございます!私も楽しみに今後の展開待ってます。 (2018年10月13日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なみだうさぎ | 作成日時:2018年7月17日 21時