chapter46 ページ1
私がまだ小学生の時、父と母は離婚した。
父は根っからの仕事人間であまり家に帰らないことが多く、それを不満に思っていた母がたびたび浮気を繰り返していた。
1回目は許したものの、それ以降も懲りずに何度かやらかした母に呆れ、とうとう父から離婚を切り出した。
それを待っていたかのように母はあっさり離婚を承諾。
まだ小学生だった私は、海外出張が決まっていた父についていくことはできず渋々母のもとで暮らすことになった。
「ご飯、これで好きなの買ってきて。」
「……わかった。」
食事はほとんどスーパーやコンビニで買ったもの。
母は真昼間からどこかへ行き、夜には男を連れ込むなんてことしょっちゅうだった。
決まって母が連れてくるのは、無駄に顔の整った男ばかりだった。
だが中身を見てみれば、下心丸出しな奴やお金目当てのどうしようもないクソみたいな奴ばかりだった。
中学生の私に手を出そうとした奴も何人かいた。
「ちょっと〜、娘はだ〜め。」
「なんでだよ、いいじゃん。お前に似て可愛いし。」
「じゃあ私で十分、でしょ?」
はぁ、吐き気が止まらない。
娘の前でよくもまぁいけしゃあしゃあとそんなことが言える。
「__気持ち悪い。」
そんな呟きは聞こえもしていないだろう、クズ2人の世界から私は抜け出した。
バタン
ドアが閉まった途端、私は走り出した。
家を出た中学生に行く宛なんてない。
とりあえずあの息苦しい家から飛び出したかった。
甘い香水の匂い
臭い煙草の匂い
聞きたくもない甘ったるい声
全て、嫌いだ。
全て、消えてしまえ。
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なみだうさぎ(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます!!更新不定期で大変申し訳ないですが、できる限り期待に応えられるよう頑張ります!! (2018年10月14日 1時) (レス) id: e3d8bdb6e6 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 続編の移行おめでとうございます!私も楽しみに今後の展開待ってます。 (2018年10月13日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なみだうさぎ | 作成日時:2018年7月17日 21時