君の願いを叶えるには。vol.5

#191 ジ「七夕の願い事がここで回収っぽい事されたな、まだ続きそうやけど」 ページ9

るぅとside

『............頼って...もっと、僕の事』

意識を失った(と見せかけて眠った←)ころちゃんをベッドに寝かせ、布団をかけるとその言葉が頭をぐるぐる回る。


「(......そんな事言ったって、分かりませんよ...頼るとか)」

小さい頃は1人で行動してきた僕だ。

幼なじみでさえ突っぱねてきたのに、今更人なんて頼れない......


＿＿＿＿いつもそうだ。

ころちゃんと喧嘩した日、修学旅行。

莉犬の件、花火大会、選挙に体育祭......


僕が何も言わなくたって、皆助けてくれた。

「助けて」なんて言えなかった。


1人で解決しようとしてた。



鞄からスマホを取り出し、時計を見る。


「......4時」


ころちゃんはどのくらい1人で寝てたんだろう。

というか僕の事幻覚だと思ってたみたいだし...

「ここに居るんですけどね......」

苦笑しながらLINEのトーク画面を開く。

先程まで莉犬と会話していたのだ。


莉犬この前助けてってなーくん達に言ったんだ
莉犬もう10月終わりだけど、勇気出す
莉犬今日、仲直りするね
莉犬あ!プレゼントは後でちゃんと渡すよ!誕生日おめでとう!!


莉犬でさえ、人に助けを求める事が出来ている。


...最初は、僕と同じだと思ってたのに。


さとみくんとなーくんだって最近は変わって来てるし。


＿＿＿＿＿成長出来てないのは、僕だけ？



「(............っ)」


その事実が重く僕にのしかかる。
それは、とても辛い事実。

天才とか僕は言っていたけど、僕が1番頭が悪かった。

皆......僕より凄い人ばかりだ。


「頼れないよ......っ頼っちゃいけないんだよ......！」

...せめて完璧な人間として振る舞わないと、僕は僕で居られない。



＿＿＿神様。


好き。皆が、ころちゃんが大好き。


こんな僕なんか気にするより先に自分を優先して欲しい。



............それさえも、綺麗事？


「.........はは」


乾いた笑いが込み上げる。


頬に何か伝う感触がしたが気にしない。


「違う、こんな事言いたい訳じゃない」


ころちゃんは寝てるのに、届く筈無いのに。

もしかして、と淡い希望を抱いてしまう。

＿＿貴方が僕の悩みを解決してくれるんじゃないかって。

このくだらない悩みを聞いてくれるんじゃないかって。


「.........頼りたいよ」


僕の本音は、弱く小さく。

誰に聞かれる事無く消えてゆく。

あの日、七夕で願った事。

＿＿＿"僕を幸せにして"くれませんか。

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らっきーすとぷりめんばー！

るぅとくん＆ジェルくん

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