君の願いを叶えるには。vol.5

#208 さ「映画見て騒ぎ立てるジェルと莉犬面白かったなw(←悪魔)」 ページ26

ななもりside


目をかっ開いたまま、隣の教室を見る。

...それは、確認の為。

希望の光を求める為。

隣の教室は目の前の教室とは違い、明るいポップな感じの看板を出している。

看板には可愛らしい丸文字で一言。

"1年C組猫耳カフェ！"

教室の前で遠井さん(死んだ目)が看板娘として客を呼び込んでいる。

...確かに俺達が出していた猫耳カフェが存在していた。
さっきまで俺が居た教室である。

「(という事は...ここはやっぱり...見間違いじゃなくて......)」

1年C組の隣であるここ...1年B組。

別名"断末魔が聞こえる程のクオリティ高いお化け屋敷"。

『僕も頑張るからさ、見てってよ』

先程、ころんがそう告げる。

この恐怖のお化け屋敷がころん達B組の出し物だとすると......。


俺は、今から。


「ささ、入って入って！」

固まる俺を他所にクラスメイトに「1名入りまーす！」と満面の笑みで言う彼をこれ程までに恨んだ事は今までもこれからもきっと無いだろう。

咳払いをし、こちらを振り返りころんは低くイケメンな声で手を差し出した。

「＿＿＿ようこそ、僕等の残酷で儚い世界へ」


決め台詞っぽく笑うころんを今はカッコイイとは思えない。
.........出来る事なら、今すぐ死にたいです。←←
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莉犬side

「ドラキュラ達がざわめいている...お気を付けて」

＿＿案内人はつまらない。

知らない女子2人を連れ、何度も練習した言葉を吐きながら道を突き進んでいく。

その最中、俺はそう思った。

うるさい程に叫び続ける人々(たまにリア充)を何で俺が連れていかねばならんのだ。

クラス人数と時間振り分けの関係上、今の時間案内人役は2人しかないし。

2回に1回お化け屋敷回るとかどういう事だよ。←

さっきだってエプロン付けたなーくんが来て

「お願い莉犬くん......絶っ対離れないでね...俺お化け無理なの...！！」

って半泣きで言われて正直ここまで怖くしたのに罪悪感あったわ。

「(ごめんなさい皆さん...お化け屋敷にしよう言ったのは皆だけどプロデュースしたのは俺なんだ...)」

クラスでアイディア集めてた時期さとみくんとジェルくんと(強制的に)ホラー映画見させられて半ギレ状態だったからアイツ等怖がらせる為に本気の台本作っちゃった...。←

.........本当にごめんなさい。←←

暗い道、ライトを持ちながら胸を抑え、心の中で懺悔し続ける俺であった。

#209 ジ「夕方までにたっくさんの出店回ったで！楽しかった！」→←#207 莉「ホラー苦手な俺だけど...何故お化け屋敷なのかは次話で判明。」

らっきーすとぷりめんばー！

るぅとくん＆ジェルくん

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