教祖様の5人目の嫁

ご ページ6

ゆっくりと襖が開かれると同時に視界いっぱいに蓮の花が広がった




す、っご…





甘い香りが漂い、思わず顔をあげてしまう





中は金ピカギンギラで蓮やら睡蓮やらの花が咲き乱れていた




魅入っていると部屋の中央に座っていた人物と目が合う






やば、と咄嗟に俯くも目に焼き付いた光景が頭から離れない






何…あれ





にっこりと細められた目は見たことも無いような、からふるな瞳をしていてその中に何か文字が刻まれていた





いやいやいや





どう考えても可笑しいでしょ？！





めちゃめちゃ珍しい虹色の瞳は百歩譲って良いとするけど…！





あの文字はなんだっていうの？！




もしあの人が教祖だとしたら周りの人間の神経を疑うわ




沢山の疑問を抱えながらも足を進める




さっき居た部屋とは比べ物にならない程大きい部屋を進んでいけば、5色の座布団が目の前に




…やっぱり瞳の色が関係するのね




私に用意されたであろう黄色の座布団の上に腰を下ろす





驚いたことに教祖だけでなく、私たちを囲うように数名の大人達が座っていた





…あ、お父様達だ


と、するときっとこの人達は他の嫁の家族だろう





視線を感じながらもじっと座っていれば、教祖(?)は金色の扇を仰いで胡散臭い笑みを浮かべた





童｢やぁやぁ、俺は童磨。よろしくね？｣





やっとのことはっきりと見えた教祖の顔は…






とてつもなく見目麗しい殿方だった





呆気に取られつつ、ちらりと横を盗み見れば同じように他のお嫁さんはうっとりとした顔で見蕩れている





そうそうに頬を染めている者もいた





ちょろいわね





…確かにかっこいいけど、、、






第一印象・胡散臭い。が強すぎて…





何をすれば良いか分からない私達を置いて家族達はやんやと騒ぎ始める





この人達も信者なのかしら？





｢いやぁ、この度はうちの娘を娶って頂きありがとうございます！｣




｢やはり教祖様と同じ瞳の色の娘を嫁に迎える、というのは間違いなかったですねぇ！｣



童｢そうだね！皆、綺麗な色をしているよ｣




｢ふむ、みな大層美しい娘達ですなぁ｣





童｢あぁ、その通りだ！｣





｢それを言うなら、うちの娘は気立てがよく…｣




童｢なんと！それは良い！｣





｢いやいや！うちだって…｣





そこからは自慢合戦牽制合戦だった





教祖のこもっていない返事に嫁達は顔を赤らめている





…お世辞だって分からないのかしら？

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