にじゅうろく ページ27
おずおずと着物を捲って傷を見せる
『…気持ち、悪いですよね』
足にくっきりとついた無数の傷が顔を覗かせた
『もう、治らない跡とかあるんです。…傷物なんですよ、私』
秘密にしててごめんなさい、と力なく笑えばずっと無言だった教祖様が口を開いた
・
童磨side
…こんなに酷いとは
…こんなに惨いものだとは
思いもしなかった
思わず言葉を失う
白く細い足に付いた切り傷や打撲痕、それはAが受けてきたであろうものの非情さを物語っていた
『(…人間は、儚いものだろう？ましてはこの子なんて人一倍繊細だ、生きていることが奇跡なんじゃないか)』
俺が何も言わないことに不安を覚えたのか泣きそうになりながらこちらを覗き込んできたA
その顔があまりに可愛くて愛おしくて、最近気付いたこの気持ちは止めることなど不可能だった
『…傷物だなんて言わないでおくれ。俺は、どんな君でも受け入れるさ』
少し力を入れれば折れてしまいそうな程脆い肩を抱き寄せて、Aを包み込む
『これは誰にやられたのかい？母か？父か？それとも他の嫁か？』
俺と｢お話｣をしよう
心の底から渦巻く、これまた感じたことのない不快感を覚えながらそう囁いた
・
Aside
恐らく怒っているだろう教祖様
でも私の気分は最高だった
だってそれ程までに私が大切なんでしょう？こんな汚い体を受け入れてくれるんでしょう？
相変わらず私を抱きしめる教祖様の体は冷たいけど、心は暖かかった
『…傷は、お母様からです。、でも最近は楓…藤姫様達からもあまり良く思われていなくてっ…』
頼子さんから聞いているでしょうし、言わなくても分かるよね
童｢…信者から色々聞いているよ、無理しなくて良い。我慢させちゃってごめんね｣
もう少ししたら大分楽にはなるだろうから、と意味深な発言をする教祖様
童｢それと傷の件は…君を産んでくれたお母様には抱えきれない位感謝しているけど、、流石に頂けないな｣
今までよく頑張ったね、と甘い言葉をかけてくれる教祖様にズブズブとハマっていく感覚覚えながらも抗うことは出来なかった
『…でも、とっくに諦めていたので。こうして教祖様と居られることだけが、私の望みです』
そう言うと満面の笑みで嬉しそうに頷いた
・
しばらく話をしていてハッと思い出す
『(正妻のとこ、座らせてくんないかな…！？)』
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (7月18日 2時) (
レス) @page1 id: 604cc5e1ec (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - パスワード解除ありがとうございます。 (6月30日 21時) (レス) id: bd73e008cc (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - いつも素敵な小説ありがとうございます。続編も見たいのですが、パスワードが掛かっていて見れませんでした。もし可能でしたら、パスワード教えて頂くことって可能ですか？ (6月30日 20時) (レス) @page50 id: bd73e008cc (このIDを非表示/違反報告)
よぞら(プロフ) - 待ってましたああ！！更新ありがとうございます！！！ (2024年6月3日 1時) (レス) @page49 id: bb1e0ee73a (このIDを非表示/違反報告)
詩乃(プロフ) - 最近読んだ中で一番好きな夢小説です！！更新待ってます！ (2024年5月21日 0時) (レス) @page48 id: afb728284e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パピ子
| 作成日時：2022年8月29日 23時
