今日も私は愛されるの

弐拾玖 ページ30

炭｢…そうか｣




どんよりと冷たく、重い空気になる





な、なんだこれ





少しでも明るくしようと取り繕った声で話す




『で、でも！全然動けないって感じでも無いし…！』


炭｢もう、いいよ。…無理しなくていい｣

『ﾊｲ』





怖いんだけど…





すると炭治郎は華ちゃんの前に立ち、強く睨みつけた





予想外の行動に驚く




炭｢君は…君は、Aが戦っていた間何をしていたんだ？なぜAを置いて外に出ていた？なぜ戦わなかった？なぜ逃げた？…なんの為にその刀を握っているんだ？！｣




心底呆れたような軽蔑をする様な目を向けられ、大きく目を見開いている華ちゃん





原作では温厚で優しくて今の炭治郎とは程遠い存在である為か、ショックを受けているようだ




そりゃそうだ






だってこんな炭治郎、家族を侮辱された時とかにしか見たことないし





それだけ愛されてるってことだけどね♡





…それにしても可哀想な華ちゃん




こんなに責められちゃって…元はと言えば私が挑発したのが悪いんだけど




でもしょうがない






邪魔な華ちゃんが悪いよね！





この地獄のような光景を見てほくそ笑む





華｢え…、た、炭治郎…？｣





徐々に目には薄く膜が張られていく





炭｢…ごめん、少し頭を冷やすよ。Aは休んでて、動けるようなら穴を掘っていてほしい｣





そう言って屋敷の中に入っていった





善｢炭治郎…、っ俺も行ってくる。Aちゃんは無理しちゃダメだよ！｣




私の頭を撫で、炭治郎を追いかけるように善逸も中へと入っていった





おぉ…イケメンムーブ急にかましてきたな





隣には天使の寝顔で眠っている伊之助





放心状態の華ちゃん





オロオロしている三兄弟






…そして私





なんだこれ(切実)





なんで置いてったんだよ！





正一君達めっちゃ気まずそうなんだけど






よろめきながらも三兄弟に近付く




『ｺﾞﾎｯ…ごめんねぇ、怖い目に合ったばっかりなのにこんなところ見せちゃって…』





てる子ちゃんの頭を撫でながらも笑う





正｢そんなこと無いです！｣





清｢そうです、Aさんこそ…大変な状況なのに、｣





て｢おねぇちゃん！元気だして！｣




あぁ…染みるわぁ





『はは、…優しいねぇ』






久しぶりの家族愛というものに触れて








少し、










少しだけ










心が暖かくなった

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