先生と私【3年A組】#2

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*Ren Nakao side*


柊『中尾』




ハッチの扉が開くと
上からぶっきーが俺を呼ぶ。




蓮『ん?』

柊『そこにある毛布3枚くらい持ってきてくれ』



そう言われて、言われたとおりにすると
準備室の簡易ベッドには水泳部の部活着を着た渡海春瑚が横たわっていた。
額には冷えピタが貼ってあって
短い呼吸を繰り返していた。
そして長い綺麗な髪はぐっしゃりと濡れている。




蓮『……………』

柊『………お前は手出さなかったな…』

蓮『………渡海にか?』

柊『ああ』

蓮『…………面倒事には巻き込まれたくないからな』

柊『………そーか
春、言ってたぞ
水越さんの彼氏で甲斐くんと仲いい方なのに、
中尾くんは何もしてこないから不思議だよねーって』

蓮『……………そう
…………なぁ、渡海のこれ……風邪なのか?』

柊『そろそろ0時回るのか…
じゃあこっちの薬もか…』




そう言うと先生は美術室から大きなピルケースを持ってきて、そこから10種類以上の薬を取り出してきた。
そしてそれを俺の手に置く。




蓮『な、なに……』

柊『………それが春の今飲まなきゃならない薬
俺が手を出したら1つずつ錠剤を開けて俺の手に載せろ』

蓮『え……でも寝てる』

柊『寝れた時に寝なきゃ
コイツ全然寝れないから起こしたくない
ほら、早く』





言われたとおり1つ錠剤を先生の手に置くと
渡海の口の中に入れてやって
自分の口に水を含み
そして………口移しで飲ませてやっている。
これは俺何を見せられてるんだ…
先生と生徒のキスを……




柊『はぁ…………次』

蓮『お、おう……
…………なぁ、ぶっきー…
いいのか?合意もなくそんなことして…』




また錠剤を口に含ませ、そして口移しで水と薬を飲みこませる。
先生の渡海を見る目…それはどこか特別なものであるのは間違いない。




柊『…………言っとくが…
最初に口移しで俺に薬飲ませてきたのは
春だから…』

蓮『!?
ま、マジで?』

柊『ああ
……………お前の思ってる通り
俺にとって春は特別だ
恐らくお前の思ってる通りの感情だ
付き合ってる訳では無い
でもお互いやることはやってる』

蓮『その説明いるか?
…………じゃあ渡海も…先生の事好きってことか…』




あれから10回は口移しを繰り返して
ようやく薬を飲み終える。
それからは起こさないよう2人で渡海の髪を拭いてやり、三重に毛布を重ねてやって寝かせてやる。

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