40 :笑って、1196番！<1146番の作戦> (No side) ページ41
.
3人目、1146番が考えた作戦はこうだ。
「クロは平和な場所が好きだと聞いたんだ。平和な場所に行けば気も緩んで笑顔になってくれるんじゃないか？」
作戦その3、平和な場所に行く。
鼻腔の辺りは比較的平和な場所では無いだろうか。
「ちょうど鼻腔に来たんだし、足湯にでも浸かろうか」
1146番の言葉に、2626番が昇天した4989番を引き摺りながら白血球5人は足湯の方へと向かった。
靴と靴下を脱ぎ、暖かい湯に足を浸すと張り詰めていた気持ちも緩む。
程よい暖かさに一息ついた1146番がちらりと隣を見ると、1196番は腕を組みながら俯いていた。
ぴくりとも動かない1196番に違和感を抱いた1146番は「...クロ？」と呼びかける。
短いようで長く感じる間の後、ゆっくりと顔を上げた1196番。
...その表情は、今にも寝てしまいそうな表情で。
「えっ、1196番？ここで寝ちゃダメだぞ？」
2048番がそう呼びかけると、1196番は「分かってる」と口にする。
だが、寝てしまいそうな表情は変わらず、ちょっとした拍子に顔から足湯に突っ込んでしまいそうだ。
「危ない！！」
カクン、と首が動いた先はやはり足湯の方。
湯に顔がダイブする前に1146番が受け止めたものの、1196番の意識はほぼ夢の中であった。
「...こういう所に来ると...気が緩んで眠くなる...んだよ...」
絞り出したと思われる言葉を最後に、1196番は安らかな眠りについた。
その様子を終始見ていた2626番は真向かいに居る1146番に呟く。
「ダメじゃん、緩みすぎて寝ちゃったじゃん」
数十分後、目を覚ました1196番は冷蔵ショーケースからコーヒー牛乳を取り出してちびちびと飲みながら再び足湯に浸かっていたが、その間にも1196番の笑顔が見られることは無かったという。
そのやり取りを経てやっと目を覚ました4989番は、他の3人が1196番の寝顔を見たという事に狡いと不満を言ったのだった。
作戦失敗 :気を緩ませ過ぎた
41 :笑って、1196番！<2626番の作戦> (No side)→←39 :笑って、1196番！ <4989番の作戦> (No side)
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 289人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海藍 - 凄い、、、 (5月21日 23時) (
レス) id: 34bd24184d (このIDを非表示/違反報告)
仁兎 - 鶴丸国永が出てニヤニヤしてしまった…えへへ (2020年7月12日 10時) (レス) id: 01ef15654f (このIDを非表示/違反報告)
まじかるれいん☆ - あああもう展開分かっちゃったふふふふ← (2018年12月30日 21時) (レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空みや(プロフ) - ぷらんくとん。さん» コメントありがとうございます！楽しみにしていただきありがとうございます♪このあとの話もお楽しみに！ (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7eb3a685bd (このIDを非表示/違反報告)
ぷらんくとん。 - 更新楽しみにしてます！ (2018年9月17日 11時) (レス) id: 4eb7efbf3a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼空みや | 作成日時：2018年8月21日 3時
