32 :汚れずの好中球ともふもふ ページ33
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2048番と2626番の手によって近くのベンチに座らされた僕。
2048番は無線機に何か話しかけていて、2626番は僕の耳と尻尾を眺めている。
暫くするとシロとハクが下の排水口兼遊走路から金網を吹っ飛ばして這い上がってきた。
こう、耳と尻尾が生えてからいつもより格段に耳もよく聞こえるのだ。
金網が吹っ飛ばされた音にも大きく聞こえ、頭に響いてうるさい。
「2048番!クロちゃん緊急事態ってどういう事!?」
「クロに何かあったのか!?」
死ぬんじゃないかってくらい息を切らせたシロとハクはずかずかと大股で歩み寄り、僕の前に居る2048番に詰め寄った。
「まあ落ち着けって、まずあれ見ろよ」
2048番に指を差され、指の方向を見たシロと目が合う。
「...クロ?」
ぴるぴると無意識にシロの声に反応した耳。
その様子を見てシロは目を見開いて僕に生えたネコ耳を見つめた。
続いてハクも僕の方を見る。ハクは何も言わずぽかんとした顔をしていた。
不意に2626番が僕の髪ごと耳を触り始めた。
「うおっ、すげぇ。もふもふだ、堪んない」
前髪で目が隠れて表情が見えないが、口角はにっこりと上がっているからきっと笑っているのだろう。
されるがままに大人しくしていると、続いて2048番が僕の頭に頬を寄せてきた。
「うはぁ、ずっと触ってたいなこりゃ」
2626番と同じく表情は見えないが、幾分か声色は幸せそうだ。
野郎の頭など触って何が楽しいんだろう。
シロは羨ましそうに僕らを見ているし、ハクはハクで唇をわなわなと震わせていた。
「おっ...まえら狡いぞ!!俺だってやりたい!もふりたい!!」
ハクが悔しそうに言う傍ら、2626番はにやにやと悪い顔で笑いながら僕の耳を擽っていた。
そろそろ執拗い。やめて欲しい。
抵抗するように突然立ち上がると見事、僕の頭は2048の頬と2626番の顎にクリティカルヒットした。
痛みに蹲る2人を見下ろし、ふんと鼻を鳴らした僕の尻尾は、ゆらゆらと揺れていた。
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海藍 - 凄い、、、 (5月21日 23時) (レス) id: 34bd24184d (このIDを非表示/違反報告)
仁兎 - 鶴丸国永が出てニヤニヤしてしまった…えへへ (2020年7月12日 10時) (レス) id: 01ef15654f (このIDを非表示/違反報告)
まじかるれいん☆ - あああもう展開分かっちゃったふふふふ← (2018年12月30日 21時) (レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空みや(プロフ) - ぷらんくとん。さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただきありがとうございます♪このあとの話もお楽しみに! (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7eb3a685bd (このIDを非表示/違反報告)
ぷらんくとん。 - 更新楽しみにしてます! (2018年9月17日 11時) (レス) id: 4eb7efbf3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼空みや | 作成日時:2018年8月21日 3時